むなしい気分

断捨離テクニック

最終更新日: 2018.09.15

断捨離が終わったのに、思ったより楽しくない、と感じる時の対処法。

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いらない物は一通り捨てたのに、人が言うほど楽しくないし、身軽な気分にもならない。私は変なのでしょうか?

こんなお便りをいただきました。

片付けが終わったあと、かえって落ち込むときはどうしたらいいのでしょうか?

そんなときの対処法を、感情ごとに4つ書いてみますね。



1.部屋も心もからっぽ

捨てすぎて、何もない部屋になった。部屋も私もからっぽだ。

こうした空虚感を感じるのは、いくつか理由があります。

1)趣味や暇つぶし、逃避として行っていた断捨離が終わった

以下のどれかをしてください。

・自分の生活をよくするための断捨離をやる(人の真似をするのではなく)

・新しい趣味を見つける 

・これまでやりたいと思っていたことをやる

趣味の見つけ方はこちら⇒自分に合った趣味の見つけ方、または有意義な暇つぶしの方法。

2)急激な変化に心がついていっていない

新しい環境になじむまで時間をおいてみます。そのうち目も心も慣れます。

これまで物がぎっしりあった家から、何もない部屋に変わると、からっぽのように感じるものです。大きな家から小さな家に引っ越したときも、そんな気分になります。

私も、里帰りから戻ると、自分の部屋が寒々しく見えます。「いかにもむき出し」という雰囲気です。だからといって、実家のような環境にしたいとは思わないし、数日間たてば、それが普通になります。

新しい環境を楽しむようにするといでしょう。





3)断捨離しきれていない

自分はからっぽだと思っているが、、実は部屋の中に、まだまだいらない物があるケースです。

目に見えないところ、たとえば、押入れの中に、使わない物が、きれいに整頓されて入っていたりします。この場合は、引き続き、不用品を捨てます。

4)からっぽに見えるだけ

一見、何もない部屋に見えるかもしれませんが、実は、静寂や太陽の光、きれいな空気など、以前はなかった素晴らしいもので満たされています。

ないものではなく、あるものに目を向けると、このことに気づきます。

参考記事⇒足りないもの探しをやめればそれだけで豊かになる

たいていの場合、新しい環境に、気持ちがついていっていないだけです。引っ越し、転勤、転校をすれば、誰しも、最初は戸惑います。

いきおいで、いきなり、どーんと捨てたり、外的状況のせいで、捨てざるを得なかったときに、こんな空虚感を感じます。

少しずつ、納得しながら捨てれば、環境と心のギャップに悩むことはありません。

納得しながら捨てるには?⇒いくらミニマリストになりたくても衝動捨てはするべからず

2.罪悪感でいっぱい

捨てたあと、罪悪感を感じてどんよりする人もいます。

せっかく、お母さんが嫁入りのときに持たせてくれた着物を捨てることになって申し訳ない、人からいただいたプレゼントを捨ててしまった、やるつもりで買った教材だったけど、1ページも手をつけず捨ててしまった、すごく高い服だったのに、買い取りに出したら、数百円しか値がつかなかった、がっかり(お金がもったいない)。

こんなふうに感じるわけです。

考え方を変えれば、どんよりムードから抜け出せます。

1.)嫁入り道具を捨ててしまった

以下のように考えてください。

お母さんは、私に幸せになってほしくて、道具をくれた。使わないまま、持っていても、私は幸せではない。今回、捨てたことで、私は前よりは、心の状態がよくなっている。

使わずに、家にしまっておくよりも、本当に使ってくれる人の手に渡すほうが、道具だって活かされる。

お母さんに愛情を示したいのなら、会っていっしょに時間をすごしたり、まめに電話するなど別の方法がある。不要な道具をしまいこんでおくより、こちらのほうが、建設的だ。

2)人からのプレゼントを捨ててしまった

嫁入り道具と考え方は同じです。長らく会っていない友達なら、こちらから連絡をとってみてはどうでしょうか?

3)使うつもりで買ったのに捨てて無駄にした

次からは、ちゃんと使うものだけを買うようにします。そのために、買い物習慣を変えると決め、実際に、新しいアクションを起こします。

必要なもの、欲しいものについて考えてみると、もっと意識的な買い物ができます⇒ミニマリスト的節約術の極意は、「必要なもの」と「欲しいもの」をしっかり分けること

物の買い方を本質的に変えるには?⇒本当に賢い買い物は思い込みを捨てることから始まる

無駄遣いしない買い物習慣を身につけることができたら、今回の断捨離体験は、決して無駄だったとは言えません。むしろすばらしい学びの機会だったのです。

4)お金を無駄にした

3)と同じ考え方をします。また、お金は回ってくるもの、循環するものだ、と考えてください。

すべては循環する話⇒物を捨てられないと悩んだら、3つの流れを意識してみる。

5)ゴミを増やしてしまった

たまりにたまった不用品をいったん捨てないとゴミを出さない生活にシフトするのは難しいです。

不用品が家にあるのは、家の中でゴミになっている状態です。自分はそれを認めたくないから(めんどくさいから)、そのままにします。けれども、自分が死んだあとに、本格的なゴミになります。

断捨離をしながら、生活の仕方や、買い物の仕方を見直せば、ゴミを増やさない生活に変えられます。

これを機会にゼロウエイストな生活を意識してはどうでしょうか? ⇒ベア・ジョンソンに学ぶゼロ・ウェイスト・ホームを作る5つのルール(TED)

3.先のことが不安

断捨離をしたあとに感じる不安はいろいろあります。

たとえば、

コートを捨ててしまったけど、冬、寒くないかな?

化粧品をすごく減らしたので、きれいな顔にできないから、友達に何か言われるかな?

フードプロセッサーを捨ててしまったけど、これから、◯◯を刻むとき、どうしたらいいの?

料理本を捨てちゃったけど、料理できるかな?

離婚してしまったけど、これから一人で生活できるかな?

嫌いな仕事をやめたけど、新しい仕事、見つかるかな?

などなど。

これまで頼っていたものを手放したので、今後が不安になるわけです。

こんなときは、先にも書いた、「ないものではなく、あるものを見る」「すべては循環する」と考えるようにします。

以前、地震を体験した方から、「片付けで悩むなんて、すごく幸せな状態。非常時にはそんなことはできません」というお便りをいただいたことがあります。

これはまったくそのとおりで、「物を捨てる・捨てない」で悩むことができるなんて、とても幸せな状態にある証拠です。

日々生きるのが精一杯の人は、物を買いすぎたり、ため込みすぎたり、その処分に悩んだり、「捨てたのに楽しくないじゃん!」と思ったりする経済的・心理的余裕はありません。

また、先のことに対する不安は、物がいくらあっても解消できません。先のことは誰にもわからないのですから。

4.人生が変わらない・いいことが起きない

断捨離をすると開運したり、楽しくなったり、人生が変わるはずなのに、私は何も変わらない。

こんな不満を感じて、くすぶる人もいます。

この理由は3つあります。

1)いきなり大きなできごとが起こると思っている

自分では、「何も変わっていない」と思っていても、片付けをすると、目には見えないところで、状況が、ものすごく小さな単位で変わり続けます。

そうした小さな変化が積み重なって、あるとき大きなできごととして、表れます。

成功とか失敗は、いきなり起きるのではなく、それまでに、少しずついろいろなことが積み重なって起きるのです。

人はいきなり成功しない話⇒人生を台無しにしたいならこれをやれ~夢をダメにする5つの方法(TED)

「何も変わらない。がっかり」と思っている人は、この点を見逃しています。

先日、じわじわ変化していることについて、書きました⇒自分の心の中でひっそり育つ、目には見えない断捨離の4つのメリット。

2)心の断捨離ができていない

物理的な物を捨て終わっていても、心の中にたまっているガラクタを捨てきれていないと、楽しくありません。

心の中にあるガラクタの例⇒幸せになりたいなら捨てたほうがいい4つのゴミのような思考。

3)断捨離に見返りを期待している

「トイレを掃除すると、金運がアップするそうだから、毎日掃除しよう」というように、見返りを期待して、断捨離していても、そんなふうにはなりません。

トイレ掃除を一度もしたことがない、大金持ちはたくさんいるはずです。

断捨離は、ある特定の行動をすることです。家に入ってくるいらない物を断つ・すでに家にあるいらない物を捨てる・物に執着しない、こんな行動をするわけですね。

詳しくはこちら⇒断捨離は悪か?捨て方や片付け方は人それぞれ、マイペースがうまく行くコツ

それと、自分の問題を解決することは全く別の話です。

いくら、家にある服をたくさん捨てても、自分の問題を解決するための行動をしていなかったら、それは解決されないのです。

断捨離は魔法の杖ではない、ということです。まあ、あたりまえのことです。

*****

今回は、「断捨離をしても楽しくないよ」と思ったときの対処法を紹介しました。

私自身は、物を捨てたあと、不幸な気分になったことはありません。「ふふふ、きょうもお片付けできた」とわりとポジティブな気分です。

この記事も楽しく書きました。

けれども、断捨離しているのに、うれしくない、というお便りは過去にもいただいたことがあります⇒断捨離しているのにイライラします~断捨離に好転反応はあるか?

そんなときは、この記事を思い出して、考え方をちょっと変えてみてください。





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