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さまざまな視点を得られるTEDの記事のまとめ、その7です。2017年7月半ばの記事から新しいものへ、20個集めました。
決断力や集中力の上げ方、セルフイメージの改善、できるだけ客観的に現実を見る方法、上手なコミュニケーションのとり方など、内容は多岐に渡っています。
興味のあるものからごらんください。
すべてに抄訳をつけているので、英語が苦手な方でも大丈夫です。
TEDの記事の目次、その7
心理学者のキャロル・ドゥエック(Carol Dweck)さんによる、 The Power of Believing That You Can Improve。邦題は『必ずできる!― 未来を信じる「脳の力」―』というプレゼン。
子供には、成長型マインドセット(Growth mindset, グロースマインドセット)をもたせるべき、という主張です。グロースマインドセットは、自分は毎日少しずつでも成長できる、という考え方です。
このマインドセットは、生きている限り、誰にとっても有益な思考ではないでしょうか?
どんな人間でも、「もっと成長したい」という願望や欲望があるはずですから。
忙しい日常の中で、その気持をおざなりにしていると、なんとなく違和感を感じてきます。成長型マインドセットについて考えてみることは、自分を大事にすることです。
汚部屋を脱出できず、無力感を感じている方におすすめ。
ベネディクト・アールフェルド (Benedikt Ahelfeld)さんの、The Power of Decision Making (決断の力)。
アールフェルドさんは、「人生の質を決めるのは、決断力だ」と語っています。
確かに、私たちは、毎日、職場でも家庭でも、たくさんのことを決めています。自分には決める力がある、と気付くことが第一歩。さらに、よりよい決断をできるように、環境を整えておくことが重要です。
アールフェルドさんによれば、よりよい意思決定をする3つのコツは
1.あらかじめ選択肢を減らす
2.ストレスに強い脳にする
3.完璧主義に陥らない(選択に必要な情報を100パーセント集めようとしない)
こうなります。
「捨てる・捨てない」で迷って疲れている人におすすめのプレゼンです。
リン・ツイスト(Lynne Twist)さんの、Creating a Future For All of Us(私たち全員の未来を作り上げること)。
ツイストさんは、一人ひとりがお金の使い方を変えることで、地球の未来が変わる、と訴えています。
よりよい未来のために、お金に魂を込めるといいそうです。お金に魂を奪われるのではなく。
お金の使い方に関して考えるきっかけになる動画です。
「自分の家にはお金がない」と嘆いている方におすすめ。
ミーガン・ラムジー(Meaghan Ramsey)さんの、Why thinking you’re ugly is bad for you 邦題は「自分をブスだと思うことがなぜ悪いのか」。
自分は醜いから、私は自分が嫌いだ、と思い込んでいるティーンエイジャーの生活がどうなってしまうのか、語っています。その劣等感は、その人の健康だけでなく、経済にも影響を及ぼします。
思春期は、姿かたちが気になるものですが、大人でもわりと気にして、いらない物を買ったりしますね。
まあ、あまり人と比べないほうがいいです。テレビや映画に出てくる人は、きれいな人が多いですが、そういう姿形だから、芸能人という仕事をしているだけです。
そのへんの人は、たいてい10人並みで、そんなにがっかりすることもないでしょう。
見た目に強いコンプレックスを持っている方におすすめです。
社会心理学者のアリソン・レジャーウッド(Alison Ledgerwood)さんの、Getting Stuck in the Negatives (and How to Get Unstuck) ネガティブ思考にはまってしまうこと(そして、そこから抜け出す方法)。
タイトルどおりの内容です。何も意識していないと、人はどんどんネガティブになっていく、というもの。
しかも、ネガティブな見方をし始めると、なかなかそこから抜け出すことができません。
シンプルでわかりやすい構成ですし、英語も聞き取りやすいので学習用におすすめです。動画の長さは10分です。
後ろ向きな考え方をする傾向が強い方はごらんください。
自分自身もスマホに依存していたという、リオール・フランケル(Lior Frenkel)さんの、Why we should rethink our relationship with the smartphone(なぜ私たちはスマートフォンとの関係を見直すべきなのか?)
依存しがちな人が多いというスマホ。では、なぜスマホの使いすぎはよくないのでしょうか?
現代人のスマホへの依存状況、子どもたちへの影響、スキマ時間をスマホでうめると脳にどんなことが起きるのか、わかりやすく伝えるプレゼンです。
スマホを手放せない状況に陥っている方におすすめです。
依存症を専門とするセラピストの、マンディ・サリガリ(Mandy Saligari)さんによる、Feelings: Handle Them Before They Handle (感情に振り回される前に感情に向き合いなさい)。
サリガリさんによれば、依存症を予防する鍵はセルフエスティームにあります。
つまり、自分で自分自身をどう思っていて、その結果、自分をどう扱うか、ということです。
セルフエスティームをあげたほうがいい、という話を書いたら⇒セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴、それはわがままで、不遜なことであり、自分を甘やかすことではないか、という意見をいただきました。
実際は、セルフエスティームが低いままだと、自分のことを大事に扱うことができません。
自分を大事にできない人は、他人も大事にできないと思います。
人目を気にしすぎて、自分らしくふるまえない人、何かに依存して困っている人、育児中の人におすすめのプレゼンです。
アイザック・リッズキー(Isaac Lidsky)さんの、What reality are you creating for yourself?(あなたはどんな現実を自分のために作り出していますか?)。
人生や現実はその人が頭の中で作り上げている世界です。時に、人はゆがんだ世界を作り上げ、自分自身を苦しめてしまいます。
思いもよらないできごとに出会い、リッズキーさんは、怖が現実をゆがめることを学びました。
思い込みのはげしい人におすすめのプレゼンです。
ドリュー・ダドリー(Drew Dudley)さんによる、Everyday Leadership(日々のリーダーシップ)。邦題は「身近なリーダーシップ」です。
リーダーシップなんて自分には関係ない、と思うかもしれません。
ですが、ダドリーさんは、私達が日常、ごくふつうに行っていることが、リーダーシップを発揮することなのだ、と語っています。
というのも、誰もが、多かれ少なかれ、周囲の人に影響を与えているからです。
「私なんか…」と卑下しがちな人、逆に、「私は自分一人で生きている」と傲慢にかまえている人におすすめの動画です。
作家のリディア・ユクナヴィッチ(Lidia Yuknavitch)さんの、The beauty of being a misfit(場違いな人であることの美しさ)。邦題は「はみ出し者であるということの美しさ」。
波乱万丈の人生を送ってきたユクナヴィッチさんは、失敗や挫折をくりかえし、すっかり自信をなくしていた時期がありました。
自分はこの世界にいるのにそぐわない、と思っていたのです。
けれども、今は、この世に不用な人間なんて1人もいない、どんな人だって輝けるし、何がおきても再生できると信じています。
自分だけの物語をつむいで輝きたいと願っている人におすすめの講演です。
人々の片付けを手助けしているケリー・トマス(Kerry Thomas)さんによる、From Clutter to Clarity (ガラクタがいっぱいの状態からスッキリした状態へ)。シンプルライフ入門編、とも言える講演です。
トマスさんは、ガラクタを5つに分けています。
1.物理的なガラクタ
2.デジタルなガラクタ
3.メンタルなガラクタ
4.感情的なガラクタ
5.スピリチュアルなガラクタ
こうしたガラクタをたくさんかかえこんでいると、自分が生きたいと思う人生を生きる足かせになります。
文字通り、ガラクタをたくさん持っている人におすすめです。
会計監査の仕事をしているリズ・ライト(Liz Wright)さんによる、Getting Rid of 1000 Things(物を1000個捨てること)。
買い物をしたり、買った物を整理したり管理することに、ずいぶん時間と労力をつかっていることに気づいたライトさんは、1000個捨てるチャレンジを始めてみました。
その結果、彼女の人生がどんなふうに変わったのでしょうか?
物を捨てる前と捨てたあとの話(ビフォー・アフター)をする人は多いです。全員、捨てたあとのほうがよくなっています。
「物を捨てて不幸になった」という人のプレゼンはまだ見たことがありません。
物を減らしてスッキリ暮したい、と思っている方におすすめ。
学びの専門家である エドアルド・ブリセーニョ(Eduardo Briceño)さんによる、How to get better at the things you care about (自分が重要だと思っていることを上達させる方法)。
どうしても上手になりたい、と思っていることが本当に上手になる方法を伝えるプレゼンです。
彼によれば、有能な人たちは2つのゾーンをうまく切り替えています。学習ゾーンと、パフォーマンスゾーンです。
学習ゾーンでは、できるだけ失敗をすることが重要で、パフォーマンスゾーンでは、失敗は最小限にすべきです。いま、自分がどちらのゾーンにいるのか知ることが、上達させるコツです。
学習ゾーンでしっかり失敗しないと上達しませんが、現代人の多くは、失敗を恐れすぎているようです。
何かを上達させたい方におすすめのプレゼン。
行動科学を研究している、BJ フォグ(BJ Fogg)さんの、Forget Big Change, Start With A Tiny Habit (大きな変化を起こそうとするな、小さな習慣から始めなさい)。
大きな変化ではなく、小さな変化から始めると、その変化を継続しやすい、という話です。
一気に断捨離することをおすすめしないのは、この理由からです。
小さなことから始めれば、モチベーションは必要ありません。「モチベーションが必要だ」と感じているとしたら、自分のキャパシティに対して、大きすぎることを手がけているのかもしれません。
あるいは、環境が整っていない可能性もあります。
何かを始めるとき、環境を整えることはひじょうに大切です。
新しいことを始めたいと思っている方におすすめのプレゼン。
ミシェル・ポラー(Michelle Poler)さんの、100 Days Without Fear(恐れなしの100日間)。
ポラーさんは、学校のプロジェクトとして、100日間、毎日、自分が怖いと思っていることに挑戦し、その様子を動画にしてYouTubeで配信しました。
ポラーさんは、もともと、怖がりで、石橋を叩いて渡るタイプ。もっと、勇気を持ちたい、と思って始めたプロジェクトでした。
恐怖を感じるプロセスや克服する方法も教えてくれます。
怖がりのあなたにおすすめします。
音の専門家、ジュリアン・トレジャー(Julian Treasure)さんによる、How to speak so that people want to listen(相手に聞いてもらえる話の仕方)。邦題は「人を惹きつける話し方」です。
こんな話し方はしないほうがいい、という7つのNG(話術の7つの大罪)がとても参考になります。
この7つをやめることができたら、それだけで日々が明るくなって、人生もよくなると思います。
コミュニケーションで悩んでいる人だけでなく、「毎日ろくなことがない」とくさっている方にもおすすめです。
道理(rationality)を研究している、ジュリア・ゲーレフ(Julia Galef)さんによる、Why you think you’re right — even if you’re wrong(なぜ自分が正しいと思ってしまうのか? 間違っているときですら)。
人は思い込みが激しく、つねに自分は正しいと考えるものです。自分が正しくないと証明する情報は積極的に避けます。
こうした偏見を超越して、ものごとを客観的に見るコツを教えてくれるプレゼンです。
ゲーレフさんの英語の発音はとてもクリアで聞き取りやすいので、勉強の素材によいと思います。内容が気に入れば、の話ですが。
思い込みが激しく、理性的な判断をしそこないがちな方におすすめの動画です。
イザベル・マルシエ(Isabelle Mercier)さんの、The Power of Zero Tolerance(ゼロ・トレランスのパワー)。
Zero Tolerance とは、ルールを適用するときなどに、いっさい寛容しないことです。このプレゼンでは、自分の意に沿わないことに妥協してはいけませんよ、という意味で使われています。
というのも、何かを我慢すると、それが心配ごとに姿を変えるからです。
心配性のあなたにおすすめの動画です。
ニコ・エヴェレット(Niko Everett)さんの、Meet Yourself: A User’s Guide to Building Self-Esteem (自分自身に出会いなさい:セルフエスティームを作り上げるためのユーザーガイド)。
ニコさんは、セルフイメージが低い少女たちを助ける仕事をしています。
セルフイメージが低いとどんな弊害があるのか、どんなことをすれば自信が持てるのか、紹介している講演です。
自信をもつ方法が4つあげられていますが、そのうちの1つは、「まわりの人のよいところや、好きなところを伝える」というもの。
どんな時にも、よいことに目を向けるクセをつけると、自分のよいところにも、意識がいきやすいのでしょう。
セルフイメージが低い方におすすめのプレゼンです。動画の最後に自分自身に関する新しい物語を作る話があります。ぜひ、やってみてください。
認知神経科学と心理学を研究しているマーヴィン・チャン(Marvin Chun)さんによる、What Makes Some Brains More Focused Than Others? (ある脳がほかの脳より集中できるのはなぜ?)
現代は、情報があふれているうえに、気が散りやすい社会です。より集中しにくい社会だと言えます。
そんな中で、どうしたら、もっと集中できるのかを語る講演。人の注意力を解き明かす具体的な事例が興味深いです。
気が散ると、脳は簡単にだまされてしまうのです。
もっと集中力をあげたいと思っている方におすすめの動画です。
これまでのTEDのまとめ記事
過去に、6つまとめ記事を書いています。見逃した動画がないか、チェックしてください。
同じ動画を何度も見るのもおすすめです。
もっと充実した毎日をおくりたいあなたに:TEDの記事のまとめ、その(4)
シンプルに心軽やかに生きていきたい人のためのTEDの記事のまとめ(5)
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「長すぎて読むのがしんどい」という声もあるTEDの記事ですが(この目次も長いですね)、一気に読もうとせず、少しずつ読めばそんなに負担にならないと思います。
べつに期間限定で公開しているわけではないですし。
汚部屋の片付けやシンプルライフの追求、節約生活に役立つ講演を選んでいるつもりです。
とりあげてほしい話題がありましたら、お気軽にリクエストしてください。