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お金のやりくりに関する質問をいただきました。この方はどんぶり勘定で、お金の管理がうまくできないそうです。
この記事で質問に回答しますね。
まず、メールをシェアします。ohanaさんからです。
うまく家計を管理できない
筆子さんのブログ、数年前から、読ませていただいてます。
現在夫と二人暮らし、40代の専業主婦です。
数年前、もっと暮らしのペースを落としたい!と思い、それまで勤めていたところを辞めて、勤務時間の短い仕事に変えたり、断捨離をして、本当に自分が大切にしたいことを絞り込むことをしてきました。
おかげで、部屋はすっきりした空間を保てていますし、数年前よりも暮らしはずっとシンプルになりました。
今は妊娠中で専業主婦、家事に追われることもなく、暮らしのペースもゆったり過ごせるようになりました。
家がかたづき、掃除も毎日しています。物も増えなくなったし、料理も得意ではないけど、そこそこやっていて、家事全般について、自分でもまぁまぁ満足してはいるのですが・・・
お金の管理だけが、何年経っても下手くそで、どうにもうまくいきません。。
(よく、断捨離するとお金が貯まる、とか言われてますが、うちはそこだけは当てはまらない気がするのです。。)
貯金はいくらかはあるのですが、ここ数年ある一定のところから増えていきません。車の買い替えや夫の転職とともに引っ越し、夫のバイクの購入、不妊治療など、大きくお金を使うことが続いたこともあるので、仕方がない部分もあったのですが・・・
お金の管理が下手くそだと思う理由は、大きく2つあります。1つめは私があまり細かいことを気にせず、ついついどんぶり勘定になってしまうこと、2つめは、私が洋服が好きで洋服にお金をかける癖?があること、です。
ただその一方で、定期的に、というか気になったときに、数ヶ月間家計簿をつけてお金の動きを見たり、保険の見直しをしたりしています。その時は、このままじゃだめじゃないかと反省し、焦って急に切り詰めてみたりして結局続かないパターンです。。
結婚して11年になるのですが、自分の家計管理の下手さは自覚しているのに、なかなか改善できずにここまできてしまいましたが、もういい加減、なんとかこの問題をクリアできるようになりたいです。
こんな私に何かアドバイスをいただけませんか?よろしくお願いします。
ohanaさん、はじめまして。お問い合わせ、ありがとうございます。
お金の管理が下手なのは、学校で習わないスキルだからだと思います。
スキルなので、本などを読んで学び、実生活で試しながら調整してくと、うまくできるようになるでしょう。それは片付けや、料理、楽器の演奏などと同じではないでしょうか?
ようは、本人のやる気の問題です。
この記事では、細かいテクニックではなく、家計管理の流れをざっとお伝えしますね。私はお金の管理も、片付けと同じ考え方をしています。
ステップ1:ゴール設定
ohanaさんは、なぜ家計管理をしたいのでしょうか?
家計管理とは、理想の暮らしをするために、日々のお金を管理していくことだと思います。
ゴールがあいまいだと、何をしていいのかわからないので、突発的に家計簿をつけ始めても続かない、という状態になるのかもしれません。
ゴールとは、自分はこれからしていきたい暮らしや、人生において、自分が大事にしたいことを大事にできる生活のことです。
ゴールの例:
・マイホームを持ちたい
・お金の心配をしない暮らしをしたい
・毎年、海外旅行をしたい
・子供にしっかり教育を受けさせたい
・老後資金を貯めたい
・特定の何か(大きなお金がかかる物やサービス)を消費したい
・特定の車を運転したい
・開業資金をためたい
・家族で1年ぐらい留学したい
ゴールには長期的なもの、短期的なもの、その中間がありますが、まずは究極のゴール(長期的なゴール、人生のテーマ)を定め、そのゴールに到達するために役立つ、中期的なゴール、短期的なゴール(どんな活動をするか、何にお金を使うか)を心づもりするといいでしょう。
私のいまのゴールは、老後資金をためることです。老後資金をためたいので、収入の30パーセントは、貯金したい、という目標があります。
ゴールが定まると、やるべきことが見えてきます。たとえば、
・借金をすべて返す
・住宅ローンの繰り上げ返済をする
・緊急のできごとにそなえて、生活費の3ヶ月~6ヶ月分を貯める
・学資保険に加入する
・◯◯を買うために、月々、◯◯円貯金する
・長期積立や分散投資をする
・暮らしをミニマルにする
・もっと収入のいい仕事につくために学校へ行く(そのための資金を貯める)
ステップ2:現在の収入と支出を調べる
次に、手持ちのお金、現在の収入、支出を把握します。
収入の把握
手持ちのお金と収入の把握は難しくないでしょう。
貯金などの資産を足し算するだけですし、いまはご主人の収入だけでしょうから、給料明細を見て、これに政府から出る補助金(児童手当とか)を足し算します。
給料以外の収入があるなら、それも足してください。
私は夫と財布はべつべつなので、自分の収入だけ把握しています。
支出の把握
次に、現在、毎月、何にお金を使っているのか調べます。
家計簿をつけるのが苦手なら、そんなに細かくつけなくてもいいです。
要は、どこに、どのぐらいのお金が行っているのか自分がわかればいいのですから、それができるなら、方法は問いません。
家計簿を1年365日、一生涯つける必要はなく、毎年決まった時期に、3ヶ月だけつけたりすれば、そのときのお金の流れはわかります。
家計簿をつけなくても、お金がどこへ行っているのか把握できるなら、それでもいいです。
ただ、何らかの記録を取らないと、入ってきたお金の行き先は把握できないんじゃないでしょうか?
パーセンテージでお金の行き先を出してください。
収入の何%が住宅費で、何%が食費で、何%を貯金している、という具合です。
ステップ3:ニーズとウォンツを分ける
貯金、収入、支出を出してみたら、意外とうちはお金があったという人も、なんか全然足りないんですけど、という人も、一度、自分がニーズにお金を使っているのか、ウォンツに使っているのか考えてみるといいです。
ニーズは生活に必要なもので、ウォンツはただ単に欲しいもの(べつに買わなくてもいいもの)です。
詳しくはこちらの記事をお読みください⇒ミニマリスト的節約術の極意は、「必要なもの」と「欲しいもの」をしっかり分けること
ohanaさんは、洋服にお金をかける習慣があるそうですが、その洋服は、ニーズなのでしょうか?
自分の理想の暮らしをするために、その洋服が必要なものであるなら、これからもそこにお金を投資してもいいと思います。その洋服が、ohanaさんの暮らしの質をあげているのであれば。
しかし、そうでないなら、洋服に使っていたお金はべつのところに使ったほうがいいでしょう。
買い物は、癖や習慣にすぎないので、いくらでも修正できます。
洋服を買わなくてすむ方法は過去記事にたくさん書いていますので、参考にしてください。
マインドレスからマインドフルへ、ファッションを変えていく(TED)
どうしてこんなにたくさん洋服を買ってしまうの? あなたが洋服を買い続ける7つの理由
ステップ4:ゆるく予算を立てる
次は、こうあってほしいお金の流れを実現するために、ざっくりと予算を立ててます。あるいは、お金の使い方のルールを決めます。
ステップ2と3の段階で、いまのお金の流れと、こうあってほしいお金の流れのあいだにあるギャップを見つけられます。
そのギャップを埋めるためにはどうしたらいいのか考えてください。
最初はあまり細かい予算はたてず、「いまは、小遣いとして、これだけ自由に洋服に使っているけれど、これからは貯金にまわそう」ぐらいのゆるさでいいと思います。
実際、私も細かい予算分けなんてしていません。
私のルールは
・収入の30パーセントは、税金用にとっておく(実際は25パーセントでいいと思いますが、一応多めに見積もっています。)
・できるだけ貯金する
・食費、日用品は1日10ドル、1週間70ドルと決めてやりくり(1ヶ月300ドル)
・余計な物は買わない⇒⇒買わない生活を継続するために私が心がけていること、
これだけです。
予算の立て方などテクニカルなことは、以下の本が参考になります(というか、家計に関する本は、私はこの2冊しか読んでいません)。
ステップ5:予算やルールに従って実践する
お金の使い方の目安が定まったら、あとはそれに従って実践します。
1ヶ月毎に、収支を出すなりして、振り返り、お金の割り振りを調整しながら、目標に近づいていく感じです。
人の生活は変わります。お子さんが生まれたら、お子さん用の予算が必要になりますし、様子をみながら、お金の使い方をデザインしていってください。
補足:お金に関する思い込みは捨てる
ohanaさんは、どんぶり勘定だそうですね。
実は私もそうなのです。
私はお金のことを考えるのがあまり好きではないし、お金の増やし方に関する本や記事を読みたいとも思いません(実際、上記の2冊を除いてはたいして読んでいません)。
税務署や銀行から手紙が届くと、すご~くいやな気分になり、無視する傾向があります。その結果、余分に税金を払うはめになったこともあります。
ですが、最近、「わたしはどんぶり勘定だ」というのは自分の思い込みにすぎないのではないか、と考えるようになりました。
人はお金に対して、さまざまな思い込み(マネーシェイム)があり、「筆子どんぶり勘定説」もその1つにすぎないのではないか、と。
お金に関する思い込みについて⇒自分のお金の問題についてもっと正直になろう(TED)
お金そのものはニュートラルなメディア(何かを媒介するもの)であり、そこには何の色もついていません。そこに色をつけるのは人間です。
自分がお金に対して変な色をつけていないか考え、できるだけ、まっさらな気持ちで付き合うことができると、もっとうまく家計管理できると思います。
関連記事もどうぞ
どうやって私は刑務所で読み書きと株取引を学んだのか?(TED)
貯金できない人がうまくお金を貯める秘訣は、行動経済学にあり(TED)
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きょうはやりくりに関するご相談に回答しました。
断捨離と同じで、理想の生活やゴール(行き先)を先に考えることが重要だと思います。
ゴールがわからないと、道に迷い、やたらと不安になり、家計簿のつけ方や細かい節約術なんかに、エネルギーを注いでしまう結果になるでしょう。