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服を断捨離した後、大きな後悔にさいなまれている方からメールをいただきました。
もう手に入らないと思うと苦しい。気持ちの整理がつきません。アドバイス、お願いします。
この相談メールに回答しますね。
まず、メールを引用します。Mさんからいただきました。
コートを捨てたことが無念です
件名:断捨離して後悔
断捨離で検索したら、こちらにたどり着きました。
今、とても苦しいので、話を聞いて下さい。
私は、50代後半の主婦です。
今回、家を大規模リフォームすることになり、引っ越しをしなければならなくなったので、断捨離をすることにしました。
結婚して、27年ほとんど捨てたことがなかったので、今回は思い切って、いろいろ相当な量捨てました。
そのなかで、レザーコートとブランドのコートを捨てたのですが、今になって後悔しています。
30年前に買って、20年着なかったから、もういいだろうと思って捨てたのですが、今になって惜しいと思ってしまうのです。
まだ、きちんとしていた。着ようと思えば着れた。
処分を迷っている時に、夫にどうしよう? と聞いたら、別に処分してもいいんじゃないって感じだったし、今も、20年着てなかったてことは、必要ないものだったんだよと言われます。
確かに、20代で着ていたものを、この先60、70になって着ないと思うんですが、クローゼットの中にいて欲しかった。
他のコート類はとっておいたのに、一番高価なものを捨ててしまった。
20年クローゼットに入れっぱなしだったくせに、手放したら、執着が出てきてしまって、もう手に入らないなと思うと苦しくて、寝る前や目覚めたときに思い出して、苦しくなってしまいます。
片付ける前に断捨離の勉強をすればよかったと、これも後悔しています。
断捨離のことを読むと、迷ったら保留にするとか、全部捨てることが、断捨離ではないとか。
引っ越しの期日が迫って、焦って捨てなければという思いで、捨ててしまって、あとから後悔。
自分の気持ちに整理がつきません。
筆子さん、アドバイスをお願いします。
Mさん、はじめまして。メールありがとうございます。
27年、不用品を捨てない生活をしていたのに、今回、ばんばん捨てることができてよかったですね。
相当、スッキリしたんじゃないですか?
私なら、捨てたコートのことより、スッキリした空間や、これからの生活に目を向けますよ。
とはいえ、捨てたあと、後悔する人もいます。
気持ちの整理の付け方を4つ提案します。
1.いったい何に執着しているのか考える
そのコート2着が、クローゼットにぶらさがっていないと困る理由を深堀りしてください。
何がよくて、そんなに「捨てるんじゃなかった」と思っているのですか?
「この冬、そのコートを着たいから、ないと困る」というわけではないですよね?
20年間、着ていなかったし、ほかにも、コートはお持ちです。
クローゼットの中ががらんとして、なんとなく見た目が寂しいから?
値段が高かったので、なんだか惜しい?
まだきれいだったから?
着ようと思えば着れたから?
昔、楽しかった時期によく着たコートだから?
そのコート2着が、手元にないと困る理由(物理的にも心理的にも)をだーっと紙に書いてください。
書き出してみると、気持ちの整理をつけやすいです。
最近、「洋服を捨てられない理由と、それを乗り越える方法」をシリーズで書いています。
その中に、高かった服、まだ着られそうな服、新品同様の服、思い出のある服でも、着ないなら捨てたほうがいい理由をしつこいほどあげています。
よかったら読んでください⇒着ていない服を捨てたい。でも、捨てるのはむずかしい。そんなときはこう考えてみる(その1)
そのコートが手元にあって欲しい理由が、「ないとさみしいから」であるなら、時間がたてば、その状態に慣れます。
2.考え方を変える
いま、Mさんは、すでに捨てた物、手元にない物のことを考えるのに時間やエネルギーを使っています。
これを『足りないマインド』と私は呼んでいます⇒足りないマインドがあると、物が増え、片付けもできない理由。
足りないマインドは、横におき、いま、手元にあるものや状態に意識を向けてください。
朝起きたらこう考える
朝起きたら、「ああ、あのコート、もうないんだ」とは思わず、「ああ、また元気に朝を迎えられた。うれしい、ありがとう」と思いましょう。
または、「ああ、きょうも楽しい1日になりそうだ」とか、「きょうは、あれとこれを、こんなふうにやってみよう、楽しみだな」と思ってもいいです。
実際、新しい1日の始まりであり朝は、希望に満ちた時間です。
そんなすばらしい時間を、捨てたコートのことを考えて、台無しにするなんて、私に言わせれば、そちらのほうがよほどもったいないです。
夜寝る前は、「きょうも1日、楽しかった。ありがとう」と感謝します。
どんなに、コートを捨てたことを後悔しても、手元には戻ってきません。考えるだけ無駄です。
後悔ではなく感謝
「ああ、あのコート、もうないんだ」とは思わず、そこまでお気に入りのコートを2着も持てたことに感謝してください。
すてきなブランドもののコートを買えたこと、お気に入りのコートにめぐりあえたこと、そのコートを着て、楽しい時間を過ごしたこと。
そんなに執着しているコートだから、きっといろいろ楽しい思い出があるのでしょう。「そういう時間を過ごせて、よかった、ラッキーだった」と思ってください。
Mさんが捨てたコートは、20年間、クローゼットの中にぶらさがっていただけで、その間、とくに価値は生み出していませんでした(そうですよね?)。
いま、それを捨てたことをくよくよ後悔したら、そのコートは、価値を生み出さなかっただけでなく、自分のこころを重くさせます(もうそうなっていますが)。
そんなに大事なコートなら、そういう存在におとしめるのはやめましょう。
失敗ではなくチャレンジの機会
いま、Mさんは、「コートを捨てるんじゃなかった。大失敗だった」と思っていますよね?
「失敗した」と思わず、「新しいチャレンジをするチャンスなのだ」と捉えてはどうですか?
大事なコート2着を失ってしまったそのあと、いかに、楽しく生きられるか、コートなしで、どれだけ人生を充実させることができるか、挑戦しよう、と考えてください。
そして、挑戦してください。
まあ、正直言って、私は、コートを全部なくしたって、絶望なんてしないし、寒かったら、どこかでダウンジャケット買ってきて着るだけです。
しかし、Mさんは、まるで我が子を2人、1度に亡くしたかのような執着ぶりですから、コートなしで生きる生活にチャレンジする、という考え方をするのは有効でしょう。
3.現実を受け入れる
特定の物や状態に、必要以上に執着する人は、人や人生は時間とともに変わっていくものだ、ということを快く受け入れていません。
しかし、現実は、変わらないものなどありません。
人の生活は変わるから一生ものなんて幻想なんだ:ミニマリストへの道(100)
だから、
その現実を受け入れてください。
大事だと思うもの、かわいいと思うもの、すべてを一生、持っていたいと願うかもしれませんが、それはとても不自然なことです。
今回、Mさん一家が、家をリフォームするのも、時間の経過とともに、生活環境が変わったからですよね?
自分や生活環境が変わったら、所持する品も変わります。
これはあたりまえのことです。人生の基本原則です。
この原則にさからおうとすると、ものすごくエネルギーやリソースを要します。
使っていない物を収納するため、外部ストーレージを確保するのにお金を使ったり、着ている服も着ていない服も、みなクローゼットに入れて、着たい服を探し回ることに気持ちや時間を使ったりする。
すると、肝心なことにリソースを回せません。
現実を受け入れて、その時々に必要なものを、ちゃんと使う生活をすれば、無駄なことにリソースを使わなくてよくなります。
そういう生き方を私はおすすめします。
4.後悔するのもほどほどに
「断捨離の勉強をしておけばよかった」と後悔しているそうですが、そんなこと後悔する必要はありません。
(やましたひでこさんの断捨離ではなく、一般で言われている)断捨離は、ただ、不用品を捨てるだけです。
いま、使っていない物を捨てるだけなので、勉強なんて不用です。
思うに、Mさんは、後悔することが好きなのです。後悔することにエネルギーと時間を使うクセがありませんか?
今後も、失敗することはあるでしょう。しかし、そのたびに、ながながと後悔して、無駄に時間を過ごすのはやめましょう。
これは、自分の選択です。
ちらっと後悔して(30秒ぐらいでしょうか)、その失敗から学び、次の行動を起こしてください。
ながながと後悔しても何も生まれませんよね?
むしろストレスが増えて、体によくありません。
過去の失敗ではなく、いまの生活の充実を心がけてください。
そのほうが、自分のためです。
いまを生きる⇒マインドフルネスで実現する。今この瞬間を生きて幸せになる4つの方法。
気づくと後悔している、知らないうちに、くよくよしている、ということが多いときは、頭の中にあることを紙に書くといいですよ。
モーニングページがおすすめ⇒ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
後悔に関する過去記事
Mさんの問題を解決しそうな過去記事をリンクしておきます。
いらない物を捨てたはずなのに、捨てたことをいつまでも後悔するのはなぜ?
後悔するのが怖くて捨てられない時、捨てる決断を助ける4つの考え方。
失ったものを取り戻したいと思うな:部屋が物だらけになる理由(その7)
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コートを捨てて後悔している方のメールに回答しました。
先にも書きましたが、えんえんと後悔する生活をするか、後悔するのはやめて、次にすすむかは、自分で選択できます。
物を捨てて後悔することに、そこまでエネルギーを注ぎ込むことはありません。
大事なのは、人間のほうですから。
それでは、あなたも、感想や質問などお気軽にお寄せください。お待ちしています。