ページに広告が含まれる場合があります。
枕の使用についてご質問をいただきました。「枕って必要なのか?」という主旨のメールです。この記事で回答しますね。
枕は必要
結論から先に書くと、枕は必要だと思います。水切りカゴ、バスタオル、玄関マットなどは断捨離しても、健康に影響はないですよね?しかし、枕は睡眠中に頭を支える大事な物なので、ミニマリストだからと言って安易に捨てないほうがいいです。
人生の3分の1は眠っているといいます。睡眠は昼間の活動の鍵を握る重要な行為です。よって枕もおろそかにすべきではないと思うのです。
枕がないほうが肉体的に楽なら、無理に使えとは言いませんが、年をとってからトラブルが起きるかもしれません。また、枕の代用として使えるものもあるにはあります。たとえば、私の友達は枕を持っておらず、タオルを適当に巻いて使っているそうです。
では、質問を紹介しますね。Tさんより。
枕は健康のために必要なのでしょうか?
件名: 枕について
今回は枕の件でメールしました。
今、私の家には枕がありません。
前はあったのですが、寝て起きると床に枕がいつも落ちていて、床も社宅で古い家なので汚い畳なのでその枕で寝るのに抵抗があったので、捨てました。
ただ、夫は枕なしだと肩がこるというのです。
枕は健康のためにも必要なのでしょうか?
Tさん、お便りありがとうございます。ご主人が「肩がこる」というのなら、使ったほうがいいですよ。個人的には木枕がおすすめですが。以下に枕の役割を書きますね。
枕は何のためにあるのか?
なぜ私たちは枕を使うのでしょうか?小さいときから使っていたから、習慣でなんとなく使っている、という面もあるでしょう。
しかし医学的に、枕を使ったほうがいい理由があります。
枕の役割は、ズバリ、頭と首と肩を支えることです。
昼間(とは限りませんが)、人が直立しているときは、背骨と首の骨が頭を支えています。頭も首もだいだいまっすぐになるように、脊椎(せきつい;背骨のこと)を構成している骨や、すぐそばの筋肉や腱(けん)が複雑に協力しあって、首の上にだいたいまっすぐ頭が来るようにしています。
ちなみに、腱は、筋肉の両端にあって、骨に筋肉をくっつけている繊維状のひもです。
寝てる間は、起きている時、頭を支えていた筋肉はゆるんでいます。
この時、適切な枕を使っていないと、頭は後ろに下がったり、前かがみになったりします。この状態だと首の筋肉や、脊椎(せきつい)に余計な負担がかかります。すると首や肩がこったり、背中がこったり、痛みを感じたりするのです。
そうなれば、当然、睡眠の質はさがりますよね?だから、自分の首に合った枕をすることは重要なのです。
ちゃんと枕を使っていても、肩こりしたり、何らかのトラブルを感じている人がいますが、これはたぶん枕が低すぎるからです。
自分に合った枕を使って、寝ている時も、うまく首と頭部を引き上げてやれば、背骨と理想のラインで並ぶようになり、よく眠れるようになります。
つまり、睡眠中に、自然な、まっすぐ(といっても完全にはまっすぐではありません。ゆるいS字カーブを描いています)の姿勢を保てば肩もこらず、快適に眠れるのです。
頭、首、背骨が自然に並べば、呼吸も楽になり、血液の循環もよくなります。
首の骨である頚椎(けいつい)は、さまざまな神経が集中している、かなり大事な部分です。脳が身体に指令を出しているのですから、脳と首の下の部分がうまく連携できなければ、全身に問題が起きてしまいます。
よって首周りって大切なのです。
枕なしで寝ると、頭部や首の自然な角度が保てません。低すぎる枕で寝ると、頭が下がりすぎ、高すぎる枕で寝ると、今度は頭が前に向きすぎて、これはこれで首に負担がかかります。
理想の枕の選び方は?
どんな枕がその人に合うのかは、一概には言えません。人それぞれ首の形が違うし、体型も違うし、使っている布団や、床に寝ているのかベッドに寝ているのかといったことも違います。寝癖なんかも関係あるでしょうね。
枕を選ぶときは、枕だけでなく、睡眠に使っている物や、睡眠中の要素をトータルに考え合わせる必要があります。
私が使っている木枕は、頚椎の歪みを取れる形になっています。詳しくは⇒木枕でウソのように肩こり解消~健康にいいし、小さいし、床に寝るミニマリストには理想の枕です
私は木枕にしてから肩こりが軽減しました。ただ、木枕は寝床がふかふかだと、沈んでしまうので、使っても意味がありません。木枕を使うなら、なるべく固めの寝床で寝ることをおすすめします。私は床に毛布をひいて寝ています。
☆私の寝床⇒ミニマルな寝床を実現~床に毛布をひいて寝るようになって4ヶ月、こんな変化あり
寝床が固いと背骨の歪みが矯正されるそうです。私は腰痛になったことはありませんが、ずっと座りっぱなしだと、腰のあたりが「こる」感じがすることがあります。でも一晩寝れば治っています。
寝てるとき、身体のあちこちを修復するホルモン(成長ホルモン)が出ています。うまくこのホルモンを出してやれるように、枕を選んだほうがいいでしょう。
Tさんは、「枕が朝、いつも床に落ちている」と書かれていますが、使っていた枕が首に全然合っていなかった可能性もあります。まあ、寝相が悪いと、枕がはずれることは珍しくありません。
私も、朝起きると、木枕がはずれていることがたまにあります。「西式甲田療法」の本にも一晩中使うのが理想だけど、1日10分でも20分でもいいし、睡眠中に、はずれても別にかまわない、とあります。
世の中には枕を使わない人もいれば、ものすごく高い枕に寝ている人、いろいろな枕を試し続ける人とさまざまです。
枕に関して、「この枕ならだいじょうぶ!」という結論が出ないのは、上に書いたように、人によって体型が違うからでしょう。自分にとって、なるべく快適で、なおかつ自然な姿勢をとって寝られる枕を選ぶといいと思います。
☆睡眠が大切な話はこちら⇒なぜ人は眠るのか?睡眠の大切さを忘れていませんか?(TED)
睡眠中の理想の姿勢は?
では、「自然な姿勢」とはどんな姿勢なのでしょうか?
ということで、寝る姿勢についても書いておきます。木枕を使い始めたけれど、もともと横向きや下向きに寝るクセがあってなかなか慣れない、というお便りをいただいたこともあります。
寝る姿勢に関しては、いろいろな意見があります。仰向けか、うつ伏せか、横向きか。人は自分にとって1番快適な寝方で眠る、という意見もあります。わざわざ息苦しいポジションを取って寝る人はいませんからね。
しかし1番いいのは仰向けに寝ることです。この姿勢であれば、頭、首、背骨が自然にまっすぐ並びます。背骨によけいな負担がかからないですよね?
この姿勢で寝たほうが、顔にしわが出にくい、とも言われているんですよ。
理想の寝方を説明している、オーストラリアのカイロプラクターの動画を紹介します。カイロプラクターとはカイロプラクティックを施す専門家のこと。
カイロプラクティックは脊椎の異常を手を使って矯正し、神経機能を改善する治療法です。背骨がゆがんでいたり、姿勢が悪いと、自律神経を圧迫して、さまざまな不具合が出ますが、そういう病気を手だけで治すのです。
カイロプラクティックは自然治癒力を高めるナチュナルな療法で、近年人気です。ただ、日本では医療行為とは考えられていないので、民間療法という位置づけですね。
動画は2分37秒です。
【健康によい寝方】
この先生も仰向けに寝るのがいいと言っています。この姿勢が胸に負担がかからないからです。うつ伏せに寝るのは首によくないし、胸も圧迫するので呼吸がうまくできません。
仰向けで寝るといびきがひどくなる、といいますが、それは口を開けて寝てるからではないでしょうか?鼻呼吸をオススメします。
☆鼻呼吸について⇒口呼吸が健康に及ぼす害とは?人間のデフォルトは鼻呼吸
【おすすめの枕】
枕に関しては、「魔法の枕」はない、と言っています。人によって首の形が違うからです。そんなに枕選びにはこだわらずに、寝ているときに、肩と首がふつうの姿勢に保てるような枕がいいとのこと(このあたり、動画を参照してください)。
やわらかい枕を使って、横向きに寝れば、頭が落ちてしまうので、首や肩に負担がかかります。反発しすぎる枕なら、今度は首が逆の方向に落ち、これはこれで首と肩に負担がかかります。
どんな枕を使っても、背骨、首、頭部が昼間起きてるときのように自然にまっすぐ保てていればいいわけですね。
また足を組んだり、膝を曲げて、片方の足にのせるようなポジションは、腰の骨に負担がかかるからよくないとのこと。両足は並べて寝るのがベストです。膝の間に、2つ下りにした枕をはさむといい、と言っていますね。腰痛に悩んでいる人は試してみては?
【健康にいい布団、マットレス】
寝床に関しては、固ければ固いほどいいと言っています。もちろん、固すぎて痛みを感じたら、それはそれで眠れません。「自分が快適でいられる範囲でできるだけ固いマットレスに寝るといい」と先生は言っています。
柔らか過ぎる布団やマットレスは腰やおしりが落ちてしまい(後ろにさがるというべきか)、これはこれで背骨に負担をかけて腰痛の原因になります。
つまり、ふだんごく自然に立っているときと同じ姿勢を、寝るときも取っていられるような寝方、枕、布団がいいということになります。
というわけで、Tさん、ご主人の首にあった枕を1つ用意してください。