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なぜ、部屋に物があふれているのか、その理由を考察するシリーズ、その4です。
今回は、役目を終えた物まで家に置いておく、という理由を紹介します。
部屋の中がぐしゃぐしゃなのは、今の自分の生活に関係ないし、これから向かいたい未来にも貢献しない物をいつまでも置いておくからです。
用が済んだ物を、さっさと捨てることができれば、もっと部屋はスッキリします。
役目を終えた物とは何なのか? どうしたら捨てられるのか、順番に説明しますね。
終わったのに終わらない物
とっくの昔に用済みになったのに、家の中にある物は、「終わったのに終わらない物」と言えます。
たとえば、OLだった頃は、よく着ていたが、主婦となった現在はめったに袖を通さない服。
子供が小さいときは、よく音を出していたけど、いまは弾き手がいないピアノ。
大学時代は、毎日使っていたが、働き始めたら、押入れの奥でほこりにまみれている教科書。
このような物は、物としての役割はとっくに終えているから、終わった物です。けれども、持ち主がいつまでも捨てないから、終わることができない物でもあります。
それは、成仏できない魂のようなもの。
こういう物があると、自分の足をひっぱるし、心を重くします。
スペースを取り、探し物が増え、見た目が暑苦しく、掃除の手間がかかり、物によっては、虫をおびきよせ、かびを発生させ、変な匂いも発する。
だけど捨てない。
そんな物、あなたの家にありませんか?
私の家にあった役目が終わった物
役目が終わったのに、いつまでも持っていた。
私にもそんな物がありました。以前、書きましたが、中国語の教材です。
中国語の教材と本を断捨離するのに12年かかった私がとうとうたどりついた真実とは?~ミニマリストへの道(18)
いまから、24年ほど前、短大で2年、中国語を学んでいました。
勉強していたときは、けっこうおもしろくて「もっと勉強したいな」と思っていました。
正規の単位が取れる授業だけでなく、夕方、別の講師がやっている、一般人が受けることができる中国語のクラスまで取っていました。
そのクラスでは、短大の授業とは違う教科書を使っており、私は2種類の教科書を持っていたわけです。
夕方のクラスの教科書は、初級・中級・上級と、巻が分かれていたので、まだ初級だった私ですが、後のち勉強しようと、短大の本屋で、ほかの巻まで買い揃えました。カセットテープもたくさん持っていました。
短大卒業後も、自分で勉強しようと思っていましたが、思っていただけで、実際は使っておらず、結局、あとになって捨てました。
捨てるとき、「もうどうせ使わない。必要ならまた買えばいい」と思ったのですが、実際、その後、中国語は勉強していないし、勉強したいと思ったとしても、いまは、Duolingoなど、いろいろな学習アプリがあるので、カセットテープなんて、持っていても使わなかったのです。
捨てる決断をするまで、教材の並べ方を変えたり、置き場所を変えたりしましたが、置き場所を変えても、役割が終わっているという事実は変わりません。
新たな役割を与えることはむずかしい
役割が終わっている物をいまの生活に活かすためには、新たな役割を与えなければならないのですが、これはけっこう大変で、それができないから、使わない物がずーっと押入れにあるわけです。
終わったけど捨てていない物が、ひとつか2つだけなら、それこそ死蔵品復活プロジェクトなどをして、意識的に使うことができます。
ですが、たくさんあったら、大変ですよ。
私は、このところずっと、2018年に、塗り絵用に買った水性マーカー(水性ペン)を用いて、モーニングページを書いていますが、全部使い切るまで、かなり時間がかかると見込んでいます。
ボールペンだったら、だいたい10日前後で、インクがなくなりますが、マーカーだと、すごく色が薄くなって、「あ、もうそろそろこれは寿命だな」と思っても、翌朝、インクの出が復活しています。
「もうほぼ使い切った」と思うペンでも、ふたをしてペンケースに入れると、私が寝ているあいだに、ペン先の乾きがいやされ、翌朝、復活しているのです。
「あ、今度こそ、本当になくなった」と思っても、水をたらしてやれば、もうしばらくは生きながらえると思います。
まあ、私は毎日モーニングページを書いているから、手持ちの水性ペンを使う機会がありますが、現在の生活で、何の使い道もない物を活かすには、かなりエネルギー(思考、気力、体力、時間)を取られると思います。
だから、もう捨てたほうがいいのです。
しかし、捨てない人が多いのは、いつか何かに使えるかもしれない、いつか使うときが来るかもしれない、メルカリで売ればお金になるかもしれない、と思っているからです。
これは、すべて捨てない言い訳で、現実的な未来予想でもなければ、本気で考えている行動計画でもありません。
ここに気づけば、もう役目を終えた物を捨てることができます。
役目が終わった物を見つける方法
古い物に、ぐずぐずとしがみついている人は、まず、役目を終えている物を、ばしっと見つけてください。
1)滞在期間チェック
何の役目も果たさないまま、それが、家にどのぐらい滞在しているか、チェックします。
役目を果たしていたときの期間ではなく、役目を果たさず、そこにある時間です。
1ヶ月、3ヶ月、半年、1年、3年、5年、7年以上?
役割を持たずにそこにある時間が、長ければ長いほど、しっかり役割が終わっていると言えます。
2.)入手経路と使った場所のチェック
どうやって手に入れたのか、それをどこで使ったのかも考えてみましょう。
私の持っていた中国語の教科書は、学校側が選んだ物ですが、その学校で、そのコースを取ることは自分が決めたので、私は教材の入手に積極的にかかわっています。
その教材を、学校の授業で使い、授業についていくために、家でも使いました。
ということは、学校を卒業した段階で、その教科書の果たす役割は終わっていたのです。
家にある物の中には、自分が主体的に家に入れた物もあれば、たまたま家に入ってきた物もあります。
たとえば、ショップの袋は、たまたま家に入ってきた物です。
自分が入手したかったのは、その袋に入っていた物のほうです。
ショップの袋は、入手したかった物を家に運び終えた段階で、役目を終えています。
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自分に正直になるには?
役目が終わったのに、「またいつか、新しい役割を与える時がくる、だから捨てないで、それまでずっと押入れ(棚、引き出しetc)に入れておこう」と思っているから、いまは使っていない物が家の中にたくさんあります。
このとき、本当に自分は、いまは待機中のその品々に、新しい役割を与えることができるのか、そうする気があるのか、自分に正直になって考えてください。
ポイントは、どこまで自分に正直になれるか、です。
自分に正直になる方法を3つ書いておきます。
1)考える時間を取る
本当に新しい役割を与えることができるのか、考える時間をとってください。
先日、「メルカリで売れば、私のお小遣いになる」と考えて、不用品を捨てない方からのメールを紹介しました。
この方は、私にはいろいろやりたいことがあるけど、それができていない、とメールに書いていました。
5つほどやりたいことがリストアップされていましたが、その中に、「不用品をメルカリで売りたい」という項目はありません。
ということは、メルカリで販売することは、本人にとっては、優先順位が下のほうなのです。
少なくとも、もっとやりたいことが5つあり、そちらもまだ、実現できていません。
それなのに、メルカリで売る時間やエネルギーをどこから捻出するのか? 自分は本気でそう思っているのか?
本気なら、なぜ今すぐやらないのか?
こういうことを時間を取って考えてください。
2.)シンプルに考える
未来予想をするとき、シンプルに考えてください。
使うか使わないかの二択です。
これを持っていれば、いつか、こんな場合に役立つ、と特殊な状況を設定する人がいます。
傘が3本あり、使っているのは1本だけど、もう1本は、将来、会社に勤めたときに、会社に置く用にして、もう1本は、メインの傘が壊れた時用にするから、3本必要だ、というように。
以前、やせたら着ると考えて、着ない服を捨てないことがある、という方のメールを紹介しました。
こちら⇒捨てるなんてもったいない、持っていればそのうち何かに使える~服を捨てたいけど捨てられない理由とその対処法(その2)
この方は、「ファッションにこだわりはないので、痩せた頃には流行遅れというのもそんなに気にならないんじゃないかと思います」と書かれていました。
この場合、流行遅れどうこうではなく、本当にやせるのか、やせたら本当に着るのか、が問題です。
3.)いまの感情を優先する
「いつか自分は、いまは使っていないこの品物に、役割を与えるつもりだ、確かにそうするつもりだ」と、捨てない決断をしたとします。
そのとき、いまの気持ちも考えてください。
いま、自分の中にある、「なんとなく邪魔だ」「もう捨てたい」「捨ててスッキリしたい」という気持ちを無視していいのでしょうか?
いまの気持ちを無視して、「いつか、そのうち使うから取っておく選択」をする理由って何なのでしょう?
大事なのは、いつ来るかわからない「それが必要になる時」ではなく、いま、どう思っているか、です。
この続きはこちら⇒すぐに片付けを始められるようになるには?:部屋に物があふれている理由(その5)
物がいっぱいある理由・これまでに書いた記事
部屋にいらない物がいっぱいある理由、考えたことありますか?(その1)
どんどんしまい込むくせ、ありませんか? 部屋に不用品がいっぱいある理由(その2)
物をもらうのをやめる方法:部屋に物がいっぱいある理由(その3)。
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役割を終えた物をいつまでも取っておくから、部屋が物だらけになる、というお話をしました。
まずは、手持ちの物について、「これはどんな役割を果たしているのかな?」と、考えてみることから始めてください。
自分の生活に何の役割も果たしていない物まで所有し、管理や世話をするのは大変ですよ。