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TEDの動画

人に頼みごとをして、実際に助けてもらう方法(TED)

ほかの人に頼みごとをするのが苦手な人の参考になるTEDの動画を紹介します。

タイトルは、How to ask for help — and get a “yes” (邦題:イエスと言ってもらえる助けの求め方)。プレゼンターは、社会心理学者のハイディ・グラント(Heidi Grant)さんです。



助けの求め方、TEDの説明

Asking for help is tough. But to get through life, you have to do it all the time. So how do you get comfortable asking? In this actionable talk, social psychologist Heidi Grant shares four simple rules for asking for help and getting it — while making the process more rewarding for your helper, too.

助けを求めるのは、難しいものです。しかし、日常生活において、頼みごとをするのは避けられません。

では、どうやったらもう少し、気楽に頼みごとができるでしょうか?

実践をうながす講演で、社会心理学者のハイディ・グラントは、人に手助けをもとめて、実際に助けてもらうための4つのシンプルなルールを紹介します。

手助けをした人が、助けたかいがあったと思える方法でもあります。





収録は2019年6月、動画の長さは12分、日本語字幕あります。動画のあとに抄訳を書きます。

☆トランスクリプションはこちら⇒Heidi Grant: How to ask for help — and get a "yes" | TED Talk

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

誰でも頼みごとをするのは苦手

助けを求めるのって最悪ですよね?

人が恐怖を感じることのランキングの中には入っていませんけど、頼みごとをするのは、恐怖だと思います。

家族、恋人、同僚、見知らぬ人など、相手がだれであれ、助けが必要なことを認めるのを恐れるなんて馬鹿げたことです。しかし、頼みごとをするのは、居心地がわるく、気まずいものです。

だから、人は、できるだけ頼みごとをせずにすませようとします。

私の父も、そういうタイプで、人に道を聞くぐらいなら、ワニがうようよいる沼に入るほうがましだと感じる人です。

子供のとき、ある休暇に、車で出かけたとき、すごく道に迷ったことがあります。

母と私は、「頼むから、車をとめて、誰かに、高速道路に戻る道を聞いて」と父に言いました。しかし父は、絶対そうしようとはせず、自分は前からこのあたりに来てみたかったんだ、と言ったのです。

上手に頼みごとをすればいい

頼みごとをしないで生きることはできません。

もっと気楽に頼めるようにするには、上手に頼みごとができるようになればいいのです。頼んだことに対して、より「いいよ」と言ってもらえるように頼むのです。

それだけでなく、助けてくれた人に、「助けたかいがあった、助けたことで、満足を得られた」と思ってもらうようにもします。

そうすれば、この先も、助けてくれるでしょう。

そこで、私と同僚は、どんなときに、人が頼まれごとにイエスというか、逆にノーというか研究しました。

その話にうつる前に、まず、重要なことをいいます。

助けが必要なときはきちんとそう言う

頼みごとがあるときは、しっかりそれを口に出してください。

私たちはみな、程度の差こそあれ、「透明性の錯覚」を持っています。

これは、自分の考えや感情、ニーズは、ほかの人にもよくわかっているというあやまった思い込みです。

だから、私たちは相手が自分のニーズに気づいて、むこうから、助けようとしてくれるのを待っています。

これは、とてもたちの悪い思い込みです。

この思い込みのせいで、自分のニーズを口に出しにくくなるし、周囲の人も、どうやって相手を助けたらいいのか、わからなくなるります。

私のパートナーは、始終、「大丈夫? 何か必要なものはない?」と私に聞きます。私が、助けを求めているというサインを出すのがとても苦手だからです。

彼は、私にはもったいないほど忍耐強く、積極的に他人を助けようとします。

助けが必要なのにそう言わず、相手が自発的に助けてくれないことを責めるべきではありません。

リサーチによると、職場で、同僚が助けあう90%は、「助けが必要だ」としっかり、表明されたときです。

だから、「助けが必要です」とはっきり口にするしかないのです。

頼みごとをして、相手に助けてもらうためにはほかにも、いくつか注意したほうがいいことがあります。

1.何を頼みたいのか具体的に言う

頼みごとをするときは、自分が何を求めているのか、どうして頼みたいのか、具体的に言わなければなりません。

あいまいな頼み方は、手助けする人の助けになりません。

何を頼まれているのかわからないと、自分が助けになれるかどうかわかりませんからね。

だれも、わざわざ事態を悪くするようなことはしたくありません。

LinkedInで知らない人から、「コーヒーでもご一緒しませんか?」とか、「お知恵を拝借願えませんか?」という誘いを受けたことがあるでしょう。

こうしたリクエスト、私は全部無視しています。それは、私が不親切だからなのではなく、相手が何を求めているのかわからないからです。

もっと具体的に私にもとめていることを言ってもらえば興味をもちます。

「あなたの会社で働く機会について話し合いたい」「あなたの興味のありそうな分野で、ジョイントリサーチしたいと思う」「メディカルスクールに行くためのアドバイスがほしい」

こんなふうに具体的に依頼してください。

私には、メディカルスクールへ行くためのアドバイスはできませんが、それができる知人を紹介することはできます。

2.言い訳、おわび、わいろは使わない

頼みごとをするとき、「本当に申しわけないんだけど、できればこんなこと頼みたくないんだけど」とくどくど言うのはよくありません。

人々は、「自分は弱くない、欲張りじゃない」ということを証明するために、熱心になりすぎる時がありますが、頼まれた相手にとっては、いい気分はしません。

「相手が本当は頼みたくない頼みごと」をやってあげるのって、変じゃないですか?

あかの他人の手助けに対して、お金を支払うのはOKですが、友達や同僚を、お金で動かそうとしないほうがいいです。

お互いに助けあう間柄に、金銭的なやりとりを持ち込むと、その人間関係をこわし、ただの取引になってしまいます。

すると、逆に関係が希薄になり、助けてもらえる可能性が減ります。

誰かが手助けしてくれたとき、あとで、感謝を示すためにギフトを渡すのはよいのですが、引っ越しを手伝ってくれた親友にお金を払うのはよくありません。

3.メールやテキストで頼みごとをしない

eメールやテキストメッセージで、頼みごとをしてはいけません。

メールやテキストは非人間的です。

メールやテキストで頼むしか方法がない場合もありますが、メールやテキストのほうが、頼みやすい(頼みごとをする気まずさが減少する)からそうする人が多いのです。

しかし、頼みごとがしやすいのと同じように、メールやテキストだと、その依頼に対して、ノーと答える心理的ハードルもsがります。

口頭でじかに頼んだほうが、メールで頼んだときより、30倍、「いいよ」という返事をもらえるというリサーチ結果があります。

何か重要なことを頼むとき、どうしても相手の助けが必要なときは、実際に会って口頭で頼んでください。または、電話を電話として使って依頼してください。

4.事後報告をする

最後にお伝えしたいのは、とても重要なことなのに、一番ないがしろにされていることです。

誰かに助けを求めて、実際に助けてもらったら、その後どうなったのか相手にきちんと伝えてください。

「実際に助ける行動をすることが、その人にとって喜びをもたらす」というのは誤解です。

手助けした人が、喜びを感じるのは、その助けによって、相手をちゃんと助けることができた、相手によいことが起きたとわかったときです。

自分の助けが本当に相手の役に立ったのかわからないと、自分のしたことについてどう考えたらいいのかわかりません。

大学の教授をしていた時、人に頼まれて、たくさんの推薦状を書きました。

就職や、大学院への進学を助けるために。

しかし、そのうちの95%は、その後何が起きたのか知りません。

自分の推薦状が相手を助けたのかどうかわからないとき、推薦状を書くために費やした時間や努力について、私はどう感じればいいのでしょう?

寄付を募る団体のいくつかは、「助けた結果がわかるとその人はより深い喜びを得られる」ということをよく知っています。

その人の助けた結果をありありと見せてくれるのです。

たとえば、DonorsChooseでは、その教室の先生が授業のために欲しがっているものを買う手助けをできます。

顕微鏡、ノートパソコン、椅子など、オンラインで実際に見て決めます。

リクエストされているものが具体的なので、自分のお金がどう役立つのかよくわかり、寄付したその瞬間に、「役にたてた」という気分になれます。

しかし、彼らは、フォローアップ(事後報告)もしてくれるのです。

寄付した人たちは、あとで、その教室の子供たちから手紙や写真をもらいます。

自分が違いを生み出したことがよくわかるのです。

こうしたフォローアップを、日常でもすべきです。特に、今回、助けてくれた相手に、今後長期間にわたって、助けてほしいと思うなら。

ちゃんと時間をとって、同僚に、その人の手助けのおかげで、大口の契約を取れた、望んでいた面接を受けられたと伝えてください。

パートナーに、その人の助けのおかげで、難しい時期を乗りこえることができたと、しっかり伝えてください。

キャットシッター(ねこの世話をする人)に、あなたのおかげで、留守中、猫が物をこわさなかった、本当にありがとう、と伝えてください。

まとめ

頼みごとをするのは簡単ではなく、みな、そうすることを恐れています。助けを求めるのは、自分を危うい気分にさせます。

しかし、現代の仕事や生活において、自分1人だけで何もかもできる人なんていません。

私たちは、お互いに、頼りながら生きているのです。成功するためには、ほかの人のサポートと協力が不可欠です。

だから、助けが必要なときは、しっかり口に出してください。

そして、助けを求めるときは、助けてもらえるような頼み方をし、助けた当人がよい気分になれるような配慮をしてください。

//// 抄訳ここまで ////

単語の説明と補足

illusion of transparency 透明性の錯覚、自分の考えていることや思っていることを、(何も言わなくても)相手もわかっているという思い込み

LinkedIn(リンクトイン) ビジネスに特化したSNS

disclaimer  免責事項、責任を問われるのを避けるための抗弁

DonorsChoose  公立の学校の教室で必要なものを、ふつうの人が、じかに寄付できるアメリカのNGO。インターネットのサイトを通じて寄付します。2000年に、ある高校の先生にが作りました。

ハイディ・グラントさんの著書です。

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頼みごとはしっかり口に出す

私も、人に頼みごとをしたり、なにかを聞いたりするのは、決して得意ではありません。

私の夫は私よりもっとその傾向が強いです。きっとお互いプライドが高いのでしょう。

馬鹿だと思われたくない、無能だと思われたくない、頼りにならないと思われたくない、弱みを見せたくない、借りを作りたくない、もともと素直でない、そんな理由から、頼みごとができないのでしょう。

夫の場合は、頼みたいけど、頼むタイミングをギリギリまで待つ(先延ばし体質)、という傾向もあります。

その結果、私と娘に、本来なら避けられた迷惑や、やっかいごとが何度もふりかかってきて、そのたびに夫に、「もっと早く頼めんでよ」と言ってきました。

また、私は、極度の方向音痴のため、人に道をきかないと生きていけません。

それに、人に「◯◯だと思われたくない」というのは、人の評価を気にする、他人軸な生き方です。

以上のことを考え合わせ、ここ数年は、以前より、人に頼みごとをする頻度があがりました。

頼んでみると、夫は私の役にたちたいと思っているらしいと気づくことが何度もあり、また、頼んだほうが、当然、自分の望む結果や状態に、さほど苦労せず、到達しやすいです。

そこで、この記事を読んでいるあなたが、もし私のように頼みごとが苦手なら、思い切って、頼みごとやリクエストをしっかり口に出してください。

そうすれば、「物を減らしているのに、いらない物をたくさんくれる」「家事を全然手伝ってくれない」「すべてを私に押しつける」「私ばかりが苦労している」というストレスが多少軽減すると思います。

******

頼みごとをしても、その場でお礼を言う以外のフォローアップはほとんどしていなかったので、今後は、事後報告もしていくつもりです。

確かに、自分のしたことが役にたったと思えるとうれしいものです。





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