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猫を飼おうかどうか迷っている読者の質問に回答します。
この方は、生活をダウンサイジングしているところなので、そこへペットを迎え入れることにふんぎりがつかないそうです。
では、まずメールをシェアしますね。りえさんからいただきました。
猫について迷っています
件名:新たに猫を飼うことについてご相談させてください
こんにちは。りえです。1カ月位前にお礼のメールをお送りしました。
その際に返信不要としたのですが、ウェブサイトにアップしてくださり、思いがけないことに驚きつつも、励ましの言葉をいただけてとても嬉しかったです。ありがとうございました。
ところで、今回は題名の件でご相談です。
先日のメールでもお知らせしたのですが、私は51歳で東京都内の借家に夫と二人暮らし、残り時間を考えて持ち物の片付けを始めたところです。
それなのに、友人から子猫が生まれるので引き取らないか、と言われ、心が動いています。
猫は前から飼いたくて、友人もそのことを知っていてオファーしてくれました。
ですが、夫も私も動物を育てた経験がこれまでになく、不安が先に立ちます。
そもそも老後に向けて生活のダウンサイズを目指しているのに、これから命あるものを引き受けるのは自分には重すぎるのではないかと思っています。
サイト内の過去記事を検索したのですが、すでに飼っている方のご意見がほとんどのようで、みなさん腹をくくっていらして、今回の私のケースとはすこし違う気がしました。
そこで、一歩踏み出していいものか、筆子さんに忌憚ないご意見を聞かせていただければと思っています。
お忙しいところに恐縮ですが、ご返信いただけませんか。
よろしくお願いいたします。
りえさん、こんにちは。ご質問ありがとうございます。
りえさんのお住いは、ペットを飼ってもよい貸家なのですね。
私も賃貸ですが、ペットを飼ってはいけない物件です。
犬や猫を室内で飼うと、柱や壁をこわされる、汚される、おしっこで、ちょっとやそっとでは消えない匂いがつく可能性があるからでしょう。
私の住んでいるのはフォープレックスなので、猫がいたら、庭を徘徊するし、猫アレルギーの人はほかの部屋に入居できません。犬がキャンキャン吠えたら、ほかの住人の迷惑になる、という理由もあるでしょう。
この家は住人が出ていくと、かなり徹底的にリノベーションして、次の住人に貸していますが、痛みが少ないほうが、当然コストは低くおさえられます。
さて、自分が猫を飼うかどうかはご自身で決めることなので、私には、どうこう言えません。
以下に、決める前にやったほうがいいと思うことを書きます。
りえさんの前回のお便りはこちらで紹介⇒本当に使う物だけを残すのは気分がいい。
どうして猫を飼いたいのか考える
りえさんは、以前から猫を描いたかったそうですが、なぜ猫を飼いたいのか、あらためて考えてください。
猫を迎え入れることで、何を実現したいのか、どんな生活にしたいのか?
自分の人生にとって、猫を飼うことがどんな重要な意味を持つのか?
これは、猫に限らず、ちょっと値の張る物や、自分の生活を大きく変えてしまいそうな物を買うときは、考えたほうがいいことです。
それを家に入れることで、私は何を手に入れ、逆に何を失うのか?
猫がやってくると、より生活が豊かになるとイメージできれば、飼う決心がつくでしょう。
猫のいる生活についてリサーチする
時間の制約があるかもしれませんが、猫が家にやってくると、どんな状況になるのか、ちょっとリサーチするといいでしょう。
猫との生活をテーマにしているブログはたくさんあるので、そういうブログを読んだり、ペットのオーナー向けの雑誌を見たり、猫カフェに行って、猫をさわってみたり、猫を飼っている友だちに様子を聞いてみたり。
このようなことをすれば、猫がいる生活の感触をつかむことができ、それが自分のライフスタイルに合うか、検討できると思います。
昔、実家にいたとき、弟が拾ってきた猫と短い間でしたが、同居したことがあります。
とても賢そうな瞳をもつ、ヒマラヤンとアメリカンショートヘアのハーフみたいな猫(オス)でした。
猫は、わりと勝手に生きる動物で、手間がかからないし、とてもかわいいです。寒い時はあんかの代わりにもなります。
しかし、手間がかからないといっても、スーパーでエサを飼ってお皿に入れたり、トイレやトイレの砂を飼って、猫のために配置したり、掃除したりという管理は発生します。
猫の砂やトイレやらで物が減らない、という相談をもらったこともあります⇒ペットがいるから家が片付かない問題の解決法。
この方の猫は病気持ちだったので、より、物がたくさん必要だったようです。
また、猫は毛が抜けるので(個体差があると思いますが)、掃除は大変になると思います。私の母は、猫の毛が散らばっているのが、すごく気になったみたいで、しょっちゅうほうきではいていました。
いま、母は80代半ばを越えましたが、当時はまだ60代だったから、毎日、掃除をする元気があったのです。
それから、猫は手がかからない分、その行動をコントロールすることもできません。
我が家の猫が、となりの人の車の上に乗ったとか、車の下にいたとかで、となりの人に文句ではありませんが、遠回しに、「おたくの猫ちゃん、迷惑なのよね」とか、「猫の管理、ちゃんとしろよ」といったニュアンスのことを言われたことがあります。
そういう他人の言葉に、いちいちめげる性格の人は、猫を飼うのに向かないでしょう。
猫が、ネズミをつかまえて、持ち帰ったこともあります。
我が家の猫は奇病にかかり、安楽死させました。そのときは、とても悲しかったです。
生後1年に満たない猫は、それなりに手間がかかると思うので、そこに時間を避けるかどうか、考えてみる必要もあるでしょう。
いま、Googleで、「猫の寿命」で検索したら、2~16年と出てきました。猫はの平均寿命は、15年ぐらいなので、りえさんの年齢なら、十分最後まで面倒を見ることができます。
しかし、そのあいだ、他に面倒をみなければならない人(ご両親とか)が出てきたら、猫の存在が負担になる可能性もあります。
不安なポイントを箇条書きしてみる
りえさんのメールには、「不安が先に立ちます」とありますが、その不安とは、どのようなものなのか、もう少し具体的な言葉にして書き出してみてはどうでしょうか?
りえさんの不安材料が何なのか、私にはわかりませんが、たとえば「、旅行で出かけるとき、猫のエサやりを誰に頼めばいいのかわからない」とか。
すべて書き出したら、ひとつひとつを客観的に検証すると、「どれも心配するようなことではない」「解決策は容易に見つかる」「やはり自分には荷が重い」などなど、不安をよりはっきりした形で認識できると思います。
なお、ペットがいても、生活をダウンサイジングすることは十分可能です。
私の考えるミニマルライフは、不用なものは手放して、自分が大事だと思うものを大事にする(自分のリソースを使う)生活なので、猫との生活が、大事だと思うなら、家に迎え入れて、家族の一員として世話をしつつ、暮せばいいのです。
ペットがいるからこそ、暮らしがシンプルになったと教えてくれた読者もいます⇒ペットがいてもシンプルな暮らしを実現中。
残り時間が少ないからこそ、いまの生活の充実を考えるべきであり、猫がいたら、より楽しいと思うなら、先の心配はしすぎず、描い始めるべきです。
決め方に関する過去記事
自分で決める方法について書いた記事をいくつかリンクしておきます。
決断に悩むときこそ大きなチャンス。重要な選択をする方法(TED)
決断する力をアップする。自分で決められない理由とうまく決める方法(TED)
よりよい決断をするには?シーナ・アイエンガーの選択術(TED)
よりよい決断をする3つの方法、コンピュータのように考える(TED)
仕事や家事の優先順位を決める6つのポイント。やりたいことをやれる人生に。
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「猫はかわいいし、猫との生活はかけがえがないものである」という人はたくさんいますね。
ようは、自分がその猫といかにかかわっていくかで、生活の質が変わると思います。
私は、自分が大好きなものを、必ずしも所有する必要はないと考えています。
人はいろいろなものを好きになります。犬、猫、コレクションしている何か、ファングッズなどなど。
そういうものをあえて持たず、遠くから眺めたり、応援したり、サポートしたりするのも、大好きなものとの付き合い方の1つではないでしょうか?