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前回、得をするために買い物をすると、使わなくてもいいお金を使ってしまうことが多いという話をしました。
こちら⇒得をしようとして買う:使わなくていいお金を使うからお金が貯まらない(その3)
今回はその続きで、多くの人が得をするために買い物して、損をすることが多い買い方を4つ紹介します。
1.送料無料にするために余分に買う
送料を払うのを避けるために、そこまで必要ではないものを買うことです。
私も昔は、ネットでオーダーするときは、必ず送料無料ラインを超えるようにしていました。
送料は得しましたが、代わりに以下のものを無駄にしました。
・送料無料のラインを超えるために買うものを探す時間と労力
たとえば5000円以上の注文が送料無料ラインのとき、本来買いたいものが4600円だと、あと400円、買わなければなりません。
私は貧乏性というか「ケチ」なので、できればちょうど5000円にしたいと思うほうです。
だから、400円かせいぜい450円程度のもので、今買ってもよさそうなものを探すのにものすごく時間をかけていました。
ネットショッピングは出かけなくていいからリアル店舗で買うより時間がかからないはずです。
でも検索地獄と言いましょうか、ネットではエンドレスにクリックやタップをしてしまえるので、あっという間に30分ぐらいたちます。
私の場合、こうやってあれこれ探している間に、いろいろと買いたいものが見つかり、当初の目的を忘れ、最終的に5000円よりずっと多い買物額になってしまうことがよくありました。
・余分に買ったガラクタ予備軍
送料無料にするためだけに買ったものは、その時、必要ではないものです。
だから、高い確率でガラクタになりました。
「私はちゃんと買い物リストを作っていて、そのリストにあるものから送料無料にするために、ちょうどいい金額のものを買っています」
こんなふうに言う人もいるかもしれません。
しかし、買い物リストに長くのせておけるものはニーズではありません。
ニーズとウォンツの説明はこちら⇒ニーズ(必要なもの)とウォンツ(欲しいもの)に敏感になる:知らないうちにお金が貯まる行動案(その6)
ニーズなら、すぐに買っているはずですから。
あなたの買い物リストにずっとのっているアイテムは、高い確率でウォンツです。
たとえ、3ヶ月か半年後に必ず使う確信のある商品(くさらないストック品)でも、ウォンツだと私は思います。
ニーズは、「そのとき、どうしても必要なもの」ですから。
ウォンツをたくさん買ってしまうと
・お金が出ていく
・ガラクタが増える
この2つの悪しき状況が発生します。
実家の片付けをした人は、両親が家にたっぷりためていた、「タイミングよく買っていればニーズと言えたもの」をたくさん処分したと思います。
天ぷら油、石鹸、ティッシュペーパー、サランラップ、パンティストッキング、タオルなど。
「いつか必ず使うはず」と思うものでも、ストックしすぎると結局はガラクタになるのです。
2.食品の大量買い
野菜や果物、肉類は大袋や大きな箱、大容量パックで買うと、1つあたりの単価が下がります。
1人か2人暮らしなのに、こうした生鮮品をたくさん買って、まとめて冷凍しておく人も多いでしょう。
冷凍できてちゃんと使い切れるならいいのですが、ろくに食べないうちに腐らせることが多いなら、こうした買い方も、得しようとして損する買い方だと思います。
ストック品の記事に書いていますが⇒まとめ買いが節約にならない4つの理由。むしろガラクタを増やす危険な買い方。
たっぷり買ってしまうと、消費のスピードがあがります。
お菓子の買い置きをすることはありませんか?
好きなお菓子の袋も、1袋しかなかったら、大事に少しずつ食べると思います。
でもこれが、半ダースや1ダースあったらどうでしょう?
いつもより消費スピードがあがるんじゃないでしょうか。
特にふだんお菓子の食べ過ぎを気にしているとそうなります。
こういう人は、「お菓子を食べないようにしよう」とか、「甘いものは控えよう」と1日のうちで何回も考えていますが、そのたびに、お菓子や甘いもののことを思い出しています。つまり記憶を強化しています。
お菓子の買い置きが家にたくさんあることを、決して忘れません。
たとえどこかにしまいこんだとしても。
目に見えるところになくても、その存在を忘れられないのですから、お菓子を買いすぎて、一部分、キッチンのカウンターの上に置くしかなかったらどうなると思いますか?
好きなお菓子にアクセスしやすい状況ですから、絶対、いつもより食べてしまいます。
3.クーポンを使うためにする買い物
期間限定で配布されているクーポンや、前にもらったクーポンを使うために買い物することも無駄遣いにつながります。
送料無料にするための買い物と同様に、目的が「クーポンを使用すること」になり、買い物本来の「必要なものを買う」という目的と優先順位が入れ替わってしまうからです。
つまり、「クーポンを使う」というゴールを達成するために、今必要でないものを買ってしまう結果になりがちなんです。
クーポンで割引されるのは500円や1000円など、そんなに高い金額ではありません。
しかも、3000円/5000円/1万円以上の買い物で使用可、のように最低買い物金額のしばりがあるんじゃないでしょうか?
1000円得するために、そんなに必要でないものを3000円以上買うと、2000円は、「使わなくてもいいお金」です。
その3000円で、今すぐ必要なものを買うことができれば使ったお金は無駄になりませんが、先ほども書いたように、私たちは、今すぐ必要なものは、とっくに買ってしまっています。
クーポンで買う品物は、よくよく考えると「今すぐはべつに必要でないもの」ではないでしょうか?
4.使わないポイントカード/会員カードを作ってしまう
会員になると何%か割引で購入できるサービスは、いろいろな店でやっています。
その日、たまたま立ち寄った(アクセスした)だけなのに、値引きにひかれて会員になることはないでしょうか?
いつも使っているスーパーやレストランならいいですが、めったに使わない店やサービスはたとえ割引があっても会員にはならないほうがいいです。
以下のように損をする可能性があります。
・会費の元を取れない
年会費を払う場合、使用頻度が低いと、会費を払った分を取り戻すほど買い物できない可能性があります。つまり、会員にならず、非会員として必要なときだけ購入したほうが、費用対効果があがるわけです。
・過剰に購入してしまう
年会費を払った分の元をとろうとして、本来なら買わなくてもいいものやサービスを購入する可能性があがります。
特に買えば買うほど割引率があがるサービスは要注意です。
・過剰に店に行ってしまう/アクセスしてしまう
もし会員になっていなかったら、数ヶ月に1回しか用事のない店に、「会員割引を受けられるからと」いう理由で、何度も立ち寄ってしまうかもしれません。
店に行けば、いろいろなものが魅力的にディスプレイされているので、本来必要でなかったものを買ってしまうことは十分考えられます。
買い物を控えたいとき、店に近づかないことはとても重要ですが、会員になってしまったばかりに、どんどん立ち寄って買い物をしてしまいます。
毎月買っているうちに買うのが習慣になったら、もっと悲惨なことになります。
■このシリーズを最初から読むなら⇒使わなくていいお金を使うからお金が貯まらない(その1)~かわいいもの編。
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得をしたいと思ってお金をつかったのに、結局は使いすぎて損をしてしまう買い方を4つ紹介しました。
お金を使うときは、「お金を使ったら出ていく」というあたりまえのことを忘れないでください。
得をするためにお金を使うときも、お金は必ず出ていきます。ときには、自分が予定している以上に。