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実家が物だらけなので、少し片付けを手伝いたいと思い、「一緒に片付けない?」と提案すると
「どうして捨てなきゃならないの?」と親に聞かれることがあるかもしれません。
こんな時、説得力のある理由を伝えるために、高齢者が不用品を捨てたほうがいい理由を紹介しますね。
今回は、メンタル面でのメリットを見ていきましょう。
ストレスや心配事が減る
断捨離にはいろいろなメリットがありますが、一番のメリットはストレスが減ることだと思います。
高齢者は現役世代と比べて家にいる時間が長いから、家がきれいか汚いかは、ものすごくメンタルに影響があります。
快適な空間にしておいたほうが精神衛生にいいことを、お父さんとお母さんに教えてあげましょう。
具体的には、以下のようなストレスが減ります。
視覚的ノイズの減少
物がそのへんに散らばっていたり、積み上がっていたり、棚や押入れが物でびっしりだったりすると、視覚的ノイズが増えます。
視覚的ノイズと言っても、親はわかってくれないかもしれないので、「目から入る刺激や情報が多すぎて、イライラするんだよ」と教えてあげてください。
実際そうですよね?
物がいっぱいのっているダイニングテーブルを見るのと、何ものっていないテーブルを見るのとどちらが快適か?
何ものってない方に決まっています。
視覚的ノイズがストレスホルモンを分泌させる話⇒「引き算する暮らし」の2つのメリットとは?金子由紀子に学ぶ
平面をきれいに⇒平らな面を1つだけ徹底的にきれいにしよう:夏休み片付けプロジェクト(1)
探しものが見つからないもどかしさの減少
物がたくさんあればあるほど、探しものが増えます。まず、それが家にあるかどうかがわからないし、確かに家にあるとわかっていても、どこにあるのかわかりません。もやもやします。
物の数が少ないと、驚くほど探しものをしなくてすみます。
「あ~、あれ、どこにあったっけ? あっちかな、こっちかな?」⇒そのへんを盲滅法に探す⇒「あ~、どこにもない。おかしいなあ? どこに行っちゃったんだろう?」と思うことが減ります。
探しのが出てこないと、とてもストレスですが、このストレスを感じなくてすむのです。
自己嫌悪感の減少
「このぐらい物がいっぱいあったほうが、にぎやかでいいわよ」。私の母がよく言う言葉です。
あなたのお母さんも、そんなふうに言うかもしれません。
たとえ、お母さんが、口ではそう言っていても、内心、「ああ、もう少し、ここ整理してきれいにしたいなあ」と思っていたりします。
しかし、私を含めて年老いた人というのは、若いときのようにバリバリとは動けません。
ちょっと動いただけで、疲れてしまうので、片付けたいと思っても、片付けられないのです。
年をとったら、昔のように動けないのはあたりまえですが、多くの人は、その事実を受け入れようとしません。
だから、物だらけの押入れや、本があふれそうになっている本棚を見ると、「まともに片付けられない自分」や「やりたいことをちゃんとできない自分」を思って、自己嫌悪に陥ります。
物を減らし、しっかり管理できるようにすれば、こんな自己嫌悪を感じにすみます。
恥の気持ちの減少
物だらけのぐしゃぐしゃの部屋を恥じる人はいても、誇らしく思う人はあまりいません。
「こんな部屋、とてもお客さんや孫たちには見せられないわ」と、あなたのお母さんは思っているかもしれません。
過去記事に書いていますが⇒不安な心(ヴァルネラビリティ)に秘められたパワー:ブレネー・ブラウン(TED)
恥の気持ちは、しばしば、「私は人間として欠陥品だ」という思いにつながります。
社会の一線から退いた人は、ただでさえ、「ああ、私はもうお役御免だ」と、役割喪失感からセルフイメージが下がりがちですが、そこに「いい年をして汚部屋に住むだめな私」という気持ちが加わって、ますます自信を失います。
うつになることだってあるかもしれません。
だったら部屋をきれいにしておけばいいのですが、長年かかってためこんだ物があまりに多すぎて、スタートできないし、思い通りに体も動かないから、きょうもまた、汚部屋で過ごしてしまうのです。
部屋がきれいだったら、お母さんの自信も回復するはずです。
きれいな部屋、使いやすい部屋、快適な部屋は、自分でちゃんと管理できている部屋ですから。
認知機能の最大化
認知機能は物事を理解、判断して適切な行動を取る機能です。知覚、記憶、推論、問題解決などの知的活動すべてが認知にかかわっています。
年をとると、認知が衰えるとよく言われます。どんなふうに認知が衰えるかは個人差があるので、年寄だから認知が衰えている、とひとからげには言えません。
しかし、物が少ないほうが、その人の認知機能を最大化できます。
視覚的ノイズが多すぎると、集中できませんが、集中できないと、情報をさっさとプロセスできないので、認知にかかわる行動がさまたげられます。
片付け作業に全神経を集中する7つのコツ~片付かないのは集中していないから。
若いときでも、頭の中が混乱ぎみで、考えても仕方がないことをぐずぐず考えたり、今自分がすべきことがよくわからなかったり、さっさと行動を起こせなかったりすることはふつうにあります。
こんな状態になるのは、頭の中に、情報の断片が大量にあるからです。
考え事がいっぱいありすぎて、肝心のこをが考えられない(情報をプロセスできない)のだと思います。
部屋の中が汚いと、ますます頭の中に、どうでもいい情報が入ってきます。
自分の認知を最高レベルにもっていきたいなら、部屋はきれいにしておいたほうがいいのです。
ネガティブに傾かない
ガラクタに囲まれていると、ネガティブ思考に傾き、きれいに片付いた部屋にいると、ポジティブ思考に傾く、という研究があります。
これは個人差があり、「たくさんの物に囲まれているほうが、明るく前向きな気分になって、人生が楽しくてしょうがない」という人もいるかもしれません。
ですが、大半の人は、片付いている部屋のほうが好きなはずです。
なぜか?
気分がよくハッピーでいられるからです。
私も、ミニマリストになったあとのほうが、昔より、毎日を楽しんでいます。
あなたのお母さんが、「最近、落ち込むことが多いのよね~」とこぼす原因の一端は、物が多すぎることにあるかもしれません。
きれいな部屋で寝るほうが睡眠の質もあがりますが、質のいい睡眠を取れれば、脳は適切に機能し、むやみやたらとネガティブにはなりません。。
寝室にあるごちゃごちゃした物を捨てて快眠を得る:プチ断捨離22
人間関係の向上によるストレス減少
物との付き合い方や、管理法の違いが、カップルや家族の衝突の原因になることはよくあります。
「私は持たない暮らしをしたいけど、夫/妻がどうでもいい物をたくさん買って散らかす、本当にストレスだ」
こんな不満をかかえている奥さん/旦那さんは、意外といます(筆子もその1人)。
中には、夫婦共にすごいタメコミアンで、物だらけの家で円満に暮らしている家庭もあるかもしれません。
しかし、たいていは、どちらか一方が、ガラクタをためこみすぎていて、それがケンカの原因になります。
その家にあるガラクタを一掃してしまえば、物に関する小競り合いはせずにすみます。
人間関係がよくなるから、ストレスは減少します。
☆この続きはこちら⇒物をためこんでいる両親に、まだ使える物を捨てる理由を聞かれたときの答え方~健康編。
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なぜ実家は物だらけなのか? シニアが物をため込む理由(前編)
巣立った子供の物がありすぎる~シニアが物をため込む理由(後編)
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物をたくさん持っている親に伝えたい、部屋を片づけるメリット、メンタル編をお送りしました。
後編では、メンタル以外のメリットを紹介します。
なお、「認知の最大化を」などと言うと、「人を年寄り扱いするな!」とエキサイトする親もいるので、言葉は選んでください。