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子離れできない、というタイトルのメールを読者からいただきました。
すでに成人しているお子さんにあれこれ口出しをしてしまうそうです。
よけいな口出しをしないですむ考え方を7つ紹介しますね。
相談メールは引用不可なので、内容を箇条書きします。差出人はIさんです。
子離れできない私
口出しをする時期は過ぎていますか?
私の問題:ついつい子供に、予備校や専門学校をすすめてしまう。
長男:院生で、遠くに住んでいる。いくつか公務員試験を受けたら面接で落ちたので、公務員になる予備校をすすめたが(お金は私が出すつもり)断られた。現在、修士論文執筆中。
長女:遠くの大学卒業後、自宅に戻り、通院、アルバイトしながら、ある国家試験をめざして独学中。専門学校の通信教育などをすすめているが、実現せず。
その他:
・子供にいろいろな学校をすすめてしまうのは独学が気になるから。
息子に、公務員の予備校をすすめるのは、すでに公務員になっている人から、「予備校でテクニックを身に着けないと、受からない」と何度も聞いたから。
・私がしたほうが早いので、家事は全面的に私がしており、娘はほぼ何もできない。
・中学生のとき、私は、「成績のいい兄のようになりなさい」と娘によく言っていたそうだ(娘から聞いた)。子育てを間違えたとすればこの点かもしれない。
Iさん、こんにちは。メールありがとうございます。
もちろん、口出しする時期はとっくの昔に過ぎています。
2人とももう大人ですから。
ただ、お子さんに経済的な援助をしているのなら、お金の使い方に関する口出しをせざるを得ないときがあるかもしれません。
仕送りしたお金を全部ゲームに使ってしまうなんてときは。
ですが、息子さんはまじめに勉強しているし、娘さんも、仕事をしながら、将来に向けて勉強していますよね。だから、特に口出しすることなんてありませんよ。
しいていえば、娘さんと家事を分担したほうがいいでしょうね。
何もできないのは、練習する機会がないからです。
練習する機会を娘さんから奪わないほうがいいですよ。
さて、「ほっとけばいい」と書いたところで、いきなりは、そうできないでしょうから、考え方を7つ紹介します。
1.子供は自分の所有物じゃない
成人した子供は、人格をもった1人の人間なので、その人の生き方を尊重すべきです。
子供は自分の物じゃないし、ペットでもありません。
Iさんだって、自分の母親や父親に、あれこれ行動を指図されたらいやですよね?
自分が果たせなかった夢を子供に託す親がいますが、託されたほうはたまったもんじゃありません。
親は、子供のために、と思っているかもしれませんが、現実は、子供のためになっていません。
子供を支配する毒親がメディアで話題になり始めて、久しいです。
実際、親の過干渉のせいで、自由に生きられない、やりたいことがわからない、と苦しんでいる人からよくメールをいただきます。
それでなくても、生育過程で、親にいろいろな価値観を植え付けられているんです。もうそれだけで充分すぎるほどです。
2.他人をコントロールしようとしない
子供にあれこれ口出しをしても、子供はそのとおりには動きません(成人した子供が親の言うとおりに動いたら、かえって問題です)。
子供には子供の考え方があるのですから。
口出しするだけ無駄なので、その時間とエネルギーをもっと建設的なことに使ってはどうでしょうか?
この世には自分でコントロールできることと、できないことがある、という話はよくブログに書いています。
自分がコントロールできることにフォーカスしたほうが、無駄なストレスやもめごとで消耗しません。
関連記事⇒よけいなおせっかいはやめて、自分の問題にフォーカスするすすめ。
3.子供を信頼する
できるだけ、子供を信頼してください。
信頼できれば、もっとお子さんの決めたことを尊重できるでしょう。
お子さんに、「予備校へ行ったら?」「通信教育を受けたら」と口うるさくすすめるのは、「あなたのやっていることは間違っているよ。間違っているから、正しいことを私が教えてあげる」と言っているのと同じことです。
「親は私のことをいつも信頼してくれている」と思っている子供は、こころが安定しています。
お子さんを信頼して、アドバイスを求められ時だけ、答えるといいでしょう。
4.たっぷりあるマインドをもつ
足りないマインドではなく、たっぷりあるマインドを持ってください。
足りないマインドは、自分が持っていないもの、不足しているもの、うまくいっていないことに意識を向けることです。
足りないマインドとは?⇒足りないマインドがあると、物が増え、片付けもできない理由。
うまくいっていること、持っていること、いいことに、ごく自然に目を向けられると、子供に関しても、「あれができない」「これがだめ」という目で見ることがなくなります。
すると、お子さんの成長がうれしく感じられるでしょう。
5.失敗は悪いことじゃない
親としては、子供にはあまり失敗してほしくない、いろんなことをスムーズにやってほしい、という気持ちがあるかもしれません。
だから、予備校や専門学校をすすめるのでしょう。
しかし、失敗するのは悪いことではありません。むしろ必要なことです。
失敗しないと、人間は成長できませんから。
お子さんの成長が今ひとつ、と感じることがあるとすれば、これまで先回りしてお膳立てしすぎていたせいかもしれません。
「自分で決めて、失敗して、立ち上がって、そこから学ぶ」という体験を何度もしないと、ひ弱な子供になってしまいます。
命の危険があるときは、助けるべきですが、そうでないなら、遠くから見守ればいいのです。
公務員試験に落ちたって、命に別状ありません。
むしろ、親の支配が強すぎると、子供のこころが健全に育たず、自分で自分を傷つける人間になったりします。
こちらのほうが、よほど命にかかわります。
6.自分の不安の正体をしらべる
Iさんは、独学が気になるそうですが、どうしてですか?
私は、独学、大好きですが。いま、インターネットがあるので、学校に行くことにこだわる必要はありません。
専門学校に行ったって、落ちる人は落ちます。
というか、べつに公務員になることだけが人生の幸せではないですよね?
なぜそんなに子供の学校が気になってしまうのか、いったい自分は何が不安なのか、根本にある理由を考えてください。
不安の元がわかれば、(子供を使わずに)自分で対処できます。
きのう、恐怖の4つの要素が出てくるプレゼンを紹介しました。
参考になるかもしれません⇒恐怖を「克服する」方法(TED):恐怖心に対する新しいアプローチを知ろう。
7.健全な話し合いをする
一方的に、自分の意見をまくしたてるのではなく、話し合いをしてください。
自分の要望を1つの意見として、お子さんに提示するのです。
もちろん、このときは、お子さんの意見にも耳をかします。
お互い、対等に話し合ってください。
人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。
聞き上手になる。よく聞くための5つの方法・ジュリアン・トレジャー(TED)
番外:自分の人生を生きる
最初に書いたように、子供は自分の所有品じゃないから、子供の人生を無理やりコントロールしようとしてはいけません。
そんなことをすると、自分も子供も不幸になります。
子供には、子供の人生があるから、子供自身が考えて進めばよいのです。
Iさんが、すべきなのは、自分の人生を生きることです。
子供の成長ではなく、自分の成長をめざしてください。
自分の人生を生きる方法は、このブログの随所に書いています。
できるだけ、シンプルライフにして、自分が本当に好きなことをやったり、求めているものを追求したりするといいでしょう。
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