ページに広告が含まれる場合があります。
妻である自分がせっせと片付けて、スペースを開けても、すぐに夫が散らかすから、掃除しやすい部屋にならない、どうしたら、スッキリ生活を共有できるか?
この質問に回答します。
まずメールをシェアしますね。Nさんいただきました。
内容のほとんどはNさんの愚痴なので(筆子的には)、読んでいてもあまり楽しくないかもしれません。
ですが、愚痴を言うことにエネルギーを使っているという事実を、Nさんに気づいてほしいので、あえて全文をそのまま載せます。読みやすさを考えて小見出しを入れました。
夫がすぐに散らかします
こんにちは。
いつもはっきりした意見を楽しく拝見しています。
物と向き合い、断捨離をコツコツとやっています。
夫の物が気になるように
今まではパートナー(旦那)は他人だから気にせず自分の物だけにフォーカスしてやっていましたが、段々と自分の物がスッキリしてくると、どうしても同じ部屋にある彼の物たちが気になってきます。
スペースが空くと直ぐに散らかすのです。
まだまだ自分の物も減らせることは分かっていますが、掃除しやすい部屋にするために日々奮闘中です。
主婦である私が基本的に片付け掃除をしてきましたが、あまりにも物を出しっ放しにするので、これは彼を甘やかしてるのかと思い、しばらく手を出さずに様子を見ました。
夫の行動を見てみると
すると、彼の行動を改めて見ていると、同じカテゴリー例えばCDやDVDを別々の部屋のあちこちに置く、床は毎日拭かず埃が目立ってきてからはじめて掃除する、来客がある時だけ少し物を片付ける、
郵便物は何年も!溜め込む(期限切れの物多数)、洗濯物は着るものがなくなってはじめて取り込む(洗濯用ハンガーが足りなくなる)、食器も使えるものがなくなってから洗う、足りないと何でも新しく買ってくる、など。
逆に、新しいものを買うと決めたら、古いのは使用中でも直ぐに捨てる、さびてると言えば捨てる、汚れてると捨てる(洗えば落ちるのに)など極端なんです。
世の中の旦那さんもこんな感じなのでしょうか。
床のリフォームでも意見が合わず
基本的に家の中が汚れている物が多い状態が続くことが平気なのでしょうか。そうだとしたら病気ですよね。このままでは家族が病気になってしまいます。
そして風邪をひいたり病気になって病院通いが定期的にあります。無駄なお金もかかります。そのくせ健康食品やサプリメントはクレジットカードで山ほど買います。
これは彼が小さい頃の母親との関係(長男で母親が何でもやってあげていた)もあるのでしょうか(彼の実家は物だらけですが収納が多いので表向きは片付けている)。
あるいは整理整頓された空間を喜ばない人種なのでしょうか。書籍を入れるスペースがなくなると不要なものはないから本棚を増やすという感覚をまだ持っています。
それでも我慢して私一人黙々と片付けを続けていればいづれ影響が出てくるのでしょうか。
近々床のリフォームのため、部屋にある物を全て一旦外の部屋に移動するのですが、その前に少しずつでも物を減らして捨てるものは捨てておきたいと言ったら、動かす時にまとめてやればいいだろうと言われました。
はっ! リフォームが終わって元に戻してから物を捨てるなんて無駄な! 引っ越し先でお金出して粗大ゴミを出すようなもの! 重いものを動かすのも戻すのも最終的には私がやるのだからちゃんと考えて欲しいです。と愚痴になってしまいすみません。
本人を上手いこと乗せてスッキリした部屋を共有したいのです。私には何が足りないのでしょうか。
ブログのネタにしていただいて結構です。ぜひご教示ください。よろしくお願いします。
コミュニケーション不足ではないでしょうか?
Nさん、お便りありがとうございます。
>それでも我慢して私一人黙々と片付けを続けていればいづれ影響が出てくるのでしょうか。
>私には何が足りないのでしょうか。
ズバリ、コミュニケーションが足りないと思います。
断捨離しているときは、自分の物だけを片付けて、他人の物に手出ししないほうがいいのは本当です。
しかし、夫婦で同じ家に住んでいるのだから、共同生活をするうえで、困ったことがあったら、相手に相談するべきですよね?
自分だけ片付ける(趣味の断捨離ではなく、家事としての掃除や片付けのことです)のは不公平だと思ったら、そうご主人に言うべきだし、
物を出しっぱなしにされて、家事に支障が出ているのなら、「こうされると、主婦である私の手間が増えてしまい、結果的に、家族の生活がしにくくなると思う」と言うべきです。
Nさんが、ふだんどの程度、ご主人と話し合っているのかわかりませんが、概して、自分の気持ちを相手にしっかり言わない人は、自分の思い通りの行動をしない相手に対して、一方的に恨みがましい気持ちを持つようになります。
詳しくはこちらに書いています⇒大事なものにイエスというために、ノーと言いなさい(TED)
そして、「夫がこんなふうになってしまったのは母親との関係のせいにちがいない」などなど、妄想を巡らすようになるのです。
そういうお便り、私、何通も受け取っています。
たとえばこちら⇒被害者的発想をやめる7つの方法(前編)、悪いのは私じゃない誰かだと思い込みすぎていませんか?
ネガティブな妄想をふくらませて、心にどす黒いものをためこむ前に、まずは、ご主人としっかり向き合って正直に自分の気持ちを伝えてください。
自分のやり方にこだわりすぎない
「自分のやり方や生活の仕方がベストだ!」という思い込みを捨ててください。
人の数だけ、暮らし方、掃除の仕方があります。それは当たり前のことです。
この点を理解できると、自分とは物の片付け方がずいぶん違う人と一緒に生活しても、そんなにストレスはたまりません。
ご主人には、ご主人の物の整理の仕方があり、それが、Nさんのやり方と大きく食い違っているからといって、そこまで糾弾すべきではないです。
Nさんだって、自分の好きなようにやりたいと思っているのですよね?
ご主人は、きっちり整理整とんされた空間より、物が適当に散らかっている場所のほうがリラックスできるのかもしれません。
実際、ミニマリストみたいな部屋は味気ない、と考える人はたくさんいます。
Nさんは、床のリフォームの前に不用品を捨てたいと思い、ご主人はリフォーム当日、物を動かすときに、不用品を捨てたいと思っている、ということですよね?
望む結果は同じで、そこにいたるプロセスが違うだけです。だから、ここは、そんなにカリカリするところじゃないです。
「最終的に動かすのは私なんだから」と思うなら、その部分をご主人に伝えてください。
「荷物を動かすのは私で、一気にやると疲れるから、先に捨てておきたいんだけど」と、理にかなった、ごくまっとうな要望を丁寧に提示します。
すると、ご主人も、「そうか、じゃあ、先にちょっと捨てたほうがいいかな」と思うかもしれないし、「当日は仕事を休んで手伝うよ」と言ってくれるかもしれません。
そう言わないかもしれませんが、要望を伝えることに意味があります。
なるべくポジティブな見方をする
どんなことも、できるだけポジティブに捉えるようにしてください。
このブログによく書いていますが、人の悩みは、結局、その人の物の見方から発生しています。
できごとをどう解釈するかで、それは悩みにもなり、感謝を感じられるものにもなります。
お便りを拝見する限り、Nさんのご主人は、母親に甘やかされて育ったため、すぐに物を散らかす家事能力の低い人間、
サプリや健康食品に大枚をはたいているわりには、病気になってばかりいる虚弱体質、おまけに、新しもの好きの買い物好きで、物を大事にできない、経済観念のない人、
妻の気持ちが全然わからないトンチンカン、となります。
ですが、これは、すべて「Nさんの考えているご主人」です。
Nさんのご主人は、床をふいたり、来客が来る前に物を片付けたり、洗濯ものを取り込んだり、食器洗いをしたり、家で使うものが切れたら買ってきてくれたりと、かなり家事に協力しているようです。
自分の身体の健康にも気を配り、健康維持に役立つものにお金を投資しています。
若い世代なら、あたりまえのことかもしれませんが、家事をいっさいしないご主人や、毎日大酒を飲んでいるご主人を持っている人(わりとたくさんいます)からみたら、「なんていいご主人なんだろう」となります。
それに、ご主人は、たぶん毎日会社に行って、生活費を稼いできてくれてますよね?
人間には、得意、不得意もありますし、ご主人の家事のやり方が、自分の望むレベルに達していないからといって、ご主人の人間性まで否定することはありません。
理想の生活の実現のためにお互いに協力しあう
ご主人の立場や考えを、尊重する心の余裕をもつと、状況は改善します。
「本人を上手いこと乗せてスッキリした部屋を共有したい」
これがNさんの望みのようです。
スッキリ空間を共有したいなら、お互いに共通のビジョンを持つ必要があります。
そもそも、Nさんの言い方、かなり上から目線です。
夫には、能力も責任感もないから、私がうまく教育、誘導しなければならない、という意識がうかがえます。Nさんは、そんなつもりで書いたのではないかもしれませんが。
要するに、「私がうまく誘導して、私好みのスッキリした部屋に夫を住まわせたい」とNさんは言っているんじゃないですか?
しかし、これはNさんの一方的な望みです。自分に都合のいい望みです。
「スッキリした部屋」が、家族全員が望む生活、家族全員が思い描いている生活であれば、ご主人も、その目標に向かって動くと思います。
そのためには、先に書いたようにコミュニケーションをする必要があるし、ご主人を人間として尊重する必要もあります。
ご主人をうまく操縦しよう、などとは思わず、「私は、こういう生活をしていきたいと思うけど、あなたはどう思いますか? 2人でそういう生活にしていきたいから、私は、こうういうことをがんばっているんですけど、それについてどう思いますか?」と相手の意見を聞きつつ、話し合いをしてください。
Nさんは、なぜ断捨離をしようと思ったのでしょうか?
きっと、自分や家族が、楽しく快適に暮らせるように不用品を捨てよう、と思ったのでしょう。
まず、Nさん一家の理想の生活というビジョンがあって、その生活を実現するために、いらない物を捨て始めたのだと思います。
家族全員がだいたい同じ方向を向いていないと、理想の生活に近づくことはできません。
それと、人間は、わざと失敗をするわけではありません。
よい意図があるのに、それがうまく行動に結びつかないことがたくさんあります。
詳しくは先日のTEDの記事を読んでください⇒行動を変えるには、自分をうまく仕向けることが必要(TED)
ご主人の「いたらない行動」の裏にある意図は、善意である、とは言えないでしょうか? ご主人はご主人なりにがんばっているのかもしれません。
引き続き不用品は捨てる
物が多いから、部屋が散らかるので、引き続き、不用品は捨ててください。
ご主人の衣料品の数は、Nさんにはコントロールできないでしょうが、不用な食器を捨てることはできるんじゃないでしょうか?
食器が少なければ、シンクにためる間もなく、どんどん洗うことになります。
物を捨てることで、気持ちも整理できるので、自分の物を徹底的に捨てるのは、ぜひ続けてください。
それに、自分もガラクタをいっぱい持っているのに、相手に、「不用品は捨ててほしい」といっても全く説得力がありません。
家族が片付けない悩みに関する過去記事
同様の質問に何度も答えているので、時間があるとき読んでください。7つリンクしておきます。
片付けない大学生と物を捨てない60代の父。家族のガラクタの悩みに答えます。
夫が断捨離を邪魔しても「他人はコントロールできない」ことを知っておく
家族に片付けを促す一番いい方法は、自分ができることにフォーカスすること。
家族が家事を手伝わない5つの理由。原因をクリアして解決に導く。
*****
今回は、物を散らかすご主人に関する悩みに答えました。
夫がどうした、義理母がこうした、兄や姉がこんなふうで、という悩みは、実は、片付けに関する悩みではなく、家族関係(人間関係)の悩みです。
自分が相手とどういう関係を築いているか、ここに解決のヒントがあります。
良好な関係を築いていれば、少々のことは気にならなくなります。もっと大事なことを大事にして生活したい、と思えるからです。