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わりとファンが多い、TEDの記事のまとめ、その9です。
週に1回、TEDトークを1本ずつ紹介しています。
今回は、2018年の4月23日以降の記事を、古いものから順番に20本まとめました。
TEDトーク紹介記事のまとめ、2018年4月23日~2018年9月3日
Playful inquiry — try this anywhere (楽しい質問–いろいろな場面で試してください)。プレゼンターは、Robyn Stratton-Berkessel (ロビン・ストラトン・バーケッソル)さん。
ポジティブ心理学のプレゼンです。
ポジティブ心理学とは、充実した人生を研究する学問で、日常生活におけるポジティブなできごとが、生きがいにつながるという考え方がベースになっています。
詳しくはこちら⇒成功すると幸せになるのではなく、幸せだから成功する~ショーン・エイカー(TED)
このプレゼンでは、「悲観的な考えに傾きがちな人は、こんな質問を自分にするといいですよ」と教えてくれます。
自分自身や他人にどんな質問をするかは、わりと重要で、へたな質問をするとますます不幸な気分になってしまいます。
Mindless to Mindful: The Wardrobe Revolution(マインドレスからマインドフルへ:ワードローブ革命)。プレゼンターは、ファッション・スタイリストの Elim Chu(エリム・チュウ)さん。
チュウさんは、ファッションや服が大好きだったので、ファッション関係の仕事につきました。
以前は服や靴をたくさん持っていたそうですが、無意識にどんどん買うのではなく、意識的に服を着ることにし、数を減らした体験を語っています。
服をいっぱい持っていて、あまり着ない服もあるけれど、捨てられないという人は、ファッションが好きなのかもしれませんね(単に買い物が好きという人もいるかもしれませんが)。
服を減らすとおしゃれができないと思って捨てない人の参考になる動画です。
Creativity as a Life Skill(ライフスキルとしてのクリエイティビティ)。プレゼンターは、創造性を研究している、Gerard Puccio(ジェラルド・プッチシオ)さん。
どうしたらもっとクリエイティブになれるか、という内容です。
創造性に関するTEDをたまに紹介していますが、創造性をのばすと、毎日がもっと楽しくなるし、他人の意見にふりまわされないと思うからです。
与えられたものを消費しているだけだと、物が増えていくし、だんだん疲れてきます。消費するのではなく、何かを作ることに時間をかけると、もっと自分らしい生活になると思います。
Why comfort will ruin your life(なぜ快適さがあなたの人生をだめにするのか?)。邦題は、「快適さが人をダメにするのはなぜか」。
プレゼンターは、実業家の Bill Eckstrom(ビル・エクストロム)さんです。
コンフォートゾーンを出ることをすすめる講演です。
コンフォートゾーンとは、自分が居心地よくいられる環境です。「ぬるま湯」とも言います。
Sugar is Not a Treat(砂糖はトリートではない)。プレゼンターは、自然療法専門医のJody Stanislaw (ジョディ・スタにニスロー)さん。
ジョディさんは、7歳のとき、1型糖尿病を発症してから、ずっとインスリンの注射を打っています。
砂糖が体にどんな悪影響を与えるか説明しているプレゼンです。
きのうバレンタインデーでしたから、きのう、きょうとたくさんチョコレートを食べている人もいるでしょう。
甘いものを食べるとハッピーな気分になりますが、日常的にたくさん食べていると、健康によくありません。
昔の人は、たまにしか甘いものを食べなかったから、甘いものとお祝い事やイベントがひもづいていて、甘いものイコール幸せ、豊かさ、という連想をしたと思います。
しかし、いまは、その気になれば毎日甘いものを食べることができるので、甘いものに関するイメージを変えたほうがいいと思います。
How language shapes the way we think (言語はどんなふうに私たちの考え方を形作るのか?)邦題は「言語はいかに我々の考えを形作るのか」。
プレゼンターは、認知科学者(cognitive scientist)の Lera Boroditsky(レラ・ボロディツキー)さん。
自分の現実は、自分の脳が認識している世界ですが、認識するとき、多くの部分で人は言葉を使っています。
ですから、自分がふだん使っている言葉はとても重要です。
How I learned to read — and trade stocks — in prison(どうやって私は読み書きと株式の取引を学んだのか、刑務所で?)。プレゼンターは、Curtis “Wall Street” Carroll(カーティス・’ウォール・ストリート’・キャロル)さん。
刑務所の中で行われた講演です。カーティスさんは窃盗の罪をおかし、刑務所に入りました。
彼は、家族や親族が盗みで生計をたてている環境に生まれました。
刑務所に入ってから、独学で読み書きをマスターしました(20歳のとき)。その後は、他人に投資やお金の管理の仕方を教えています。
「私の母は毒親で、そのせいで、私もこういう問題があって、あれがこうして、これがどうで」という相談メールをもらうことがあります。
たしかに、親に問題があると、子どもは迷惑を受けます。しかし、なんとか生き延びて、自分でお金を稼げる年齢になったら、自分の人生はもう自分の責任だと考えたほうがいいです。
自分でなんとかできるのです。
彼のプレゼンは、「親のせいでこうなってしまった」と思っている人たちを勇気づけてくれるでしょう。
もちろん、お金の管理がうまくできない人にも、参考になります。
How reliable is your memory (あなたの記憶はどの程度信用できるか?)。邦題は「記憶が語るフィクション」。
プレゼンターは、心理学者のElizabeth Loftus(エリザベス・ロフタス)さん。
人の記憶はあてにならないし、あとで再構成することができる、という内容です。
記憶違いはよくあることなので、あまり自分の記憶を過信しないほうがいいですね。
間違っている可能性もある、と思えば、もっと謙虚になれるので、人とうまくつきあえると思います。
See how the rest of the world lives organized by income (収入によって区別した世界の人々が、どんなふうに暮らしているのか見てください)。
邦題は、「世帯収入ごとの世界の暮らしを覗いてみよう」。
プレゼンターは、Anna Rosling Rönnlund (アンナ・ロスリング・ロンランド)さん。
アンナさんは、Dollar Street(ダラーストリート)という、世帯収入ごとの生活ぶりがわかるデータを見られるツールを作りました。
一般に「貧しい」と思われている国でも、先進国でも、収入が同じなら、だいたい似たような生活ぶりになる、という話です。
自分がいかに恵まれているかよくわかるプレゼンです。
Staying stuck or moving forward(立ち止まったままでいるか、前に進むか)。プレゼンターは、セラピスト、ライフコーチ、コンサルタントのDr. Lani Nelson-Zlupko(ラニ・ネルソン・スラッコ博士)。
想像を絶するような悲惨な体験をしても、元気に暮らし続けている人はたくさんいるから、問題の前で立ち止まるのではなく、別の方向をむいて歩き出すべきだ、という内容です。
問題解決のプロセスも教えてくれます。
How Smartphones Change The Way You Think(スマホはどんなふうに人の思考を変えるか)。プレゼンターは、エンジニアのJeff Butler(ジェフ・バトラー)さん。
私たちは、スマホの、通知機能(ノーティフィケーション)を受け取るたびに、ドーパミンが出て、気分がよくなるそうです。
通知がぼんぼん入ると、自分は活動的な生活をしている、という錯覚に陥るのかもしれません。
こうした通知はうるさいから、私は全部切っています。
退屈な人が、たいした用事もないのに、スマホを日に何度も取り出してチェックするのは、ドーパミンをだして快感を感じたいからなのでしょう。
そのうちそれがクセになります。
The optimism bias (オプティミズム・バイアス 楽観主義バイアス)。プレゼンターは、神経科学者のTali Sharot(ターリ・シャーロット)さん。
楽観主義バイアスとは、好ましいことが起こる確率を過大評価し、好ましくないことが起こる確率を過小評価する傾向です。
自分だけはがんにならないとか、うちの子に限ってそんなこと(犯罪とか)はしない、と思うのは、このバイアスがあるからです。
まあ、楽観的にならないと、生きていけませんね。
おもしろいのは、人は自分のことについては楽観的だけど、自分の国の運命やほかの国民については悲観的だそうです。自分はなぜか助かってしまう、と思っているわけです。
楽観主義バイアスにはメリットもデメリットもあります。
Feeling good(気分がよいこと)、プレゼンターは、認知行動療法の専門家、David D. Burns(デビッド・D・バーンズ)さん。
うつうつとしている人は、認知行動療法を試すともっと明るい気分になれます、という内容です。
認知行動療法は、認知(自分の考え方)と行動を変えて症状を改善する療法で、「自分の考えていることが、気分をつくるのだ」という論理に基づいています。
薬は使いません。うつ病じゃない人でも、認知行動療法のことは知っておいたほうがいいと思います。
The Difference Between Being Busy and Productive (忙しい状態と生産的であることの違い)。プレゼンターは Oliver O’Bryan(オリヴァー・オブライエン)さん。
オリヴァーは、昔は「ただ忙しいだけの人」でした。
忙しいだけの人と、生産的な人の違いを、語っている講演です。
忙しい人は、「できるだけたくさんのことをなしとげたほうが人生が充実する」というモア・イズ・ベターな考えがあって、どんどんスケジュールを埋めるのでしょうね。
How A Penny Made Me Feel Like A Millionaire(直訳:いかに1ペニーが私を億万長者のように感じさせてくれたか?)。邦題は、「1セント硬貨がもたらした幸せ」。
プレゼンターは、Tania Luna(タニア・ルナ)さんです。
タニアさんは、子どものころの楽しかった思い出を語ります。
思い出の品をいっぱい持つより、こんなふうに、楽しかったことを語ることができるほうが幸せではないでしょうか?
Overcome Anxiety in 7 Minutes(不安を7分で克服する)。プレゼンターは、心理療法士で結婚カウンセラーの、Mel Schwartz(メル・シュワルツ)さん。
未来が不確かであることを受け入れることができれば、不安から解放される、という内容です。
これは、断捨離にも言えることですね。
この先、何が起こるかは、誰にもわからない、不確実だから人生はおもしろいんだ、と思えれば、将来のことを、先回りして心配し、物を買い込みすぎることも減るでしょう。
「これを捨てると、あとで必要になったときに困る」「誰も使っていないこのタオル、老後に使いみちがあるかもしれない」と、不用品にしがみつくこともなくなると思います。
Why our screens make us less happy (なぜモニターは私たちをより不幸にするのか?) 邦題は「なぜ画面を見て過ごしていると幸せから遠のくのか?」
プレゼンターは心理学者の Adam Alter(アダム・オルター)さんです。
白い時間(パーソナルタイム)の使い方が大事だとか、アプリには生活をよくしてくれるものと、人を不幸にするものがあるとか、いろいろと考えさせられるプレゼンです。
How to save the world (or at least yourself) from bad meetings 「ろくでもない会議から世界を(せめて自分だけは)救うには?」。プレゼンターは、情報セキュリティの仕事に従事している、David Grady(デイビッド・グラディ)さん。
彼は、現代人は、MAS(マス:Mindless Accept Syndrome 無意識に承諾してしまうシンドローム)にかかっているといいます。
Increase Your Self-Awareness With One Simple Fix (ひとつのシンプルな方法を使って、セルフアウェアネスを向上させなさい)。
プレゼンターは、組織心理学者(organizational psychologist)の、Tasha Eurich(ターシャ・ユーリック)さん。
「なぜ、私はあんなことをしてしまったのか?」と自分に問いかけると、べつの事実を作り上げてしまうので、本当の自分を知りたいときに使う質問としてはふさわしくない、という話です。
「なぜ?」と聞く代わりに、「今後、何ができるだろう?」と質問したほうがいいそうです。
自分のことって、なかなか自分ではわかりませんね。
Why Aren’t We Awesomer? (直訳:なぜ、わたしたちは、よりすごくないのか?) 講演者は、コーチでアドバイザーの、Michael Neill(マイケル・ニール)さん。
みな、すごいことをたくさんやってきたのに、なぜか、「自分たちはたいしたことない」と感じている。それはどうしてか? という内容です。
思考が世界を作っている、問題を作り出しているのは自分自身だ、という内容を、さまざまな例をあげて説明しているエネルギッシュなプレゼンです。
プレゼンの内容を平たく言ってしまうと、「できないと思っているから、できないだけで、できると思えばできる」となります。
これまでに書いたTEDのまとめ記事
もっと充実した毎日をおくりたいあなたに:TEDの記事のまとめ、その(4)
シンプルに心軽やかに生きていきたい人のためのTEDの記事のまとめ(5)
過剰な思い込みをなくしたいあなたへ。TEDの記事のまとめ(7)
自分で問題を解決する力をつけたい人へ:TEDの記事のまとめ(8)
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「TEDの記事のまとめを作ってください」というリクエストをいただいているにもかかわらず、前回、TEDの記事のまとめを書いてから半年以上たってしまいました。
いまは、スマホで閲覧する人のほうが圧倒的に多いので、もっとまとめ記事をせっせと作るべきなのですが。
記事を書いたときは、日本語字幕がなかったものも、後に追加されていることがあります。
好きな講演は時間をおいて、何度か見るといいと思いますし、講演者の書いた書籍も読んでみるといいでしょう。