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自分が使う言葉を変えて、前向きに暮らす方法を教えてくれるTEDトークを紹介します。
タイトルは、The secret to changing negative self-talk by renewing your mindset (マインドセットを新しいものにして、ネガティブなセルフトークを変える秘訣)
講演者は、Bruce Pulver (ブルース・プルヴァー)さん。
セルフトークは自分自身にかける言葉です。
セルフトーク、TEDの説明
How is your self-talk? Bruce is obsessed with words. After he was downsized in his career, Bruce had to change his mindset to navigate a new path. Bruce shares why the words you use matter and how changing your words can change your mindset.
あなたはどんなセルフトークをしていますか?
ブルースは言葉にこだわっています。仕事をやめなければならなくなったとき、彼は、マインドセットを変え、新しい道に乗り出さなければなりませんでした。。
ブルースは、自分が使う言葉がなぜ重要なのか、言葉を変えることが、いかにマインドセットを変えるかシェアします。
収録は2019年の2月、動画の長さは14分です。まだ字幕はありません。動画のあとに抄訳を書きます。
☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
新型コロナウイルスで悩まされている今、特に響くメッセージですね。
言葉にこだわる私
私はとても言葉にこだわっています。
つづりや発音、同音異義語などにこだわっているわけではありません。
言葉が皆さんの人生や私の人生をコントロールし影響を与えることに、こだわっています。
声に出す言葉だろうと、頭の中でひそかに会話している言葉だろうと、言葉は、私たちの友人にもなれば、敵にもなります。
たった1つの言葉に大きなインパクトがあります。
今日、私がお伝えしたいのは、皆さんの言葉はとても重要であり、自分に話しかけている言葉や、声に出して他人に言う言葉がすべてに影響を与えることです。
言葉細工士だった父
すべては、言葉細工士(wordsmith)である父親から始まりました。
父は言葉が大好きで、独自のルールを作ってクロスワードパズルをしていました。
たてのますに全部言葉を埋めてから、横のますを埋めるというルールです。
父は、アマチュアの劇作家でもあり、登場人物の名前が、その人の仕事を完璧に表す作品を書いたことがあります。
ローレン・オーダー(law and order 法と秩序)という名前の保安官や、ページ・ターナーという名前のミステリー作家とか。
父は自分のスキルを息子の私に残したいと思っていたでしょう。お父さん、ありがとう。
感謝の心があった母
また、私は、とてもポジティブで、感謝に満ちた家庭で育ちました。
というのも、私が生まれるとき、母は、解離性大動脈瘤(かいりせいだいどうみゃくりゅう)をわずらっていたからです。
私を出産するために、母は、1ヶ月の間に、とても危険な心臓手術を3つも受けました。
後に執刀医は、その手術のことを論文にしましたが、母は、出産後、72時間生きた、2人目の女性でした。その後、母は回復し、毎朝、生きていることや、残りの人生があることに感謝しながら目覚めていました。その後、母は22年間生きました。
お母さん、ありがとう。
私が言葉の威力に気づいたとき
父の言葉好きや、母の感謝の気持ちとは、私は関係ないところで生きていました。最悪の瞬間(bam moment)になるまでは。
どん底に落ちたとき、私は、自分の使う言葉が、自分の考えや信念、意図、行動、ひいては、結果に、重要な役割を果たすことに気づいたのです。
何もかも順調だったのに、突然、どん底に突き落とされる瞬間は、誰にでもあります。
余命の宣告、愛する人をなくすこと、人間関係の終わり、ひどい事故。
私にとっては、それは突然の失職でした。
20年間、医療情報技術にたずさわり、副社長として大きなクライアントの獲得に3年間費やしたあと、私のポジションがなくなったのです。
大きなショックを受けました。
こんなとき、どうしますか?
毎朝、言葉を書き留めた
初日:Strong
失業した翌朝、頭の中で響いていた言葉は、Strong(強い)でした。このとき、それが何が意味するのか、わかりませんでしたが、すぐに、ベッドサイドにあったメモ帳に、この言葉を書きました。
この言葉をじっとみているうちに、次の言葉が浮かびました。Stand Tall Remain Optimistic Now Go for it(堂々と立て、楽天的でいろ、さあ、やってみろ)
これも何を意味するのか、わかりませんでしたが、この日の私のミッションは、何かで、強くいること、自分のために、家族のために、強くいること、そして、自分の将来に対して、強くいることだったのです。
2日目(Great)
翌朝、同じ時間に起きました。頭の中で響いていたのは、Great (すばらしい)という言葉です。
この言葉をたてに書くと、すぐに Get Ready Expect A Terrific day(準備しろ、すばらしい1日になる)という言葉が出てきました。
このときも、それが意味するものはわかりませんでした。
我が家からスーパーに行く道のりに信号が5つあります。いつも混んでいます。
私は、5つとも信号が青だったことや、スーパーの駐車場のいい場所に車を停めることができたこと、あいたレジにさっと入れたことが、すばらしいことだと思いました。
なんであろうとかまいません。私は、その日、何かすばらしいことを見つけようと意識していたのです。
3日め(Yes I Can)
3日目の朝、頭の中に響いていたのは、Yes I Can (そのとおり、私にはできる)です。
You Expect Success In Challenging Activities Now (成功を期待しろ、いま、挑戦することで)という言葉が思い浮かびました。
この日、私は、履歴書の作成を始め、名刺を調べ、電話をかけ始めました。前に進み始めたのです。
言葉のちからのなせるわざです。
毎朝、言葉を書き出すのを、その後、続けて400日行いました。違う言葉が、違う道へ導きました。
言葉が結果に影響を与える
このことから気づいたのは、自分の言葉は、あらゆることに影響を与えるということです。
私たちは、「言葉より行動のほうが雄弁だ」、と教えられます。しかし、自分の言葉が、すべてのきっかけになるとわかりました。
もし、自分の使う言葉に注意を向ければ、もっと効果的に結果を出せるのです。
自分自身の結果や、会話する相手と作り出す結果、特に、自分の子どもたちとの関係において。
変化を前にしたときの言葉
では、皆さんができそうな例を見ていきましょう。
何か、最悪の瞬間に陥ったとします。
皆さんは、何らかの変化(Change)を前にしています。
Change(変わる)
これを、Can’t Handle Another Negative Gut wrenching Experience(もう1つの胸をしめつけられるようなネガティブな経験には対応できない)と続けることができます。
しかし、180度発想を変えて、Circumstances Have Altered Now Get Engaged (状況は変わった。さあ、集中しろ)としたら、まったく別の枠組みで行動できます。
Fear(恐怖)
実際は、こんなに簡単にはいきませんね。恐怖(Fear)を感じますから。
Fearを、Fail Every Attempt Regardless (どんなにがんばっても、毎回失敗する)ととらえることもできるし、
Fuels Energy And Resilience (エネルギーと立ち直る力のもとになる)と考えることもできます。
恐怖は消えませんが、対応の仕方を変えれば、結果が変わります。
できるか?(Can I ? – I Can)
変化を前にして、恐怖の対応法を考えました。次に、自信です。『できるかな(Can I?)』、それとも、『ちゃんとできる(I Can)』、でしょうか。
Can I?
Cautious Anxious Nervous Insecure (用心深く、不安で、ナーヴァスで、自信がない)
I can
Inspired Confident Affirmed Never a doubt (奮起して、自信があり、確信をもち、疑いは持たない)
言葉を変えても、一直線にゴールにたどりつけるわけではないし、障害がなくなるわけでもありません。
しかし、変化にうまく対応できる心持ちになります。
Push (押す)
どんなものにも終わりがあります。変化に対する枠組みを考え、恐怖に対処し、できると自信を持つところまできました。
最後のひと押し(Push)をしましょう。
Push
Petrified Under Stress Helpless (硬直して、ストレスにさらされ、無力)であることもできるし、
Put Up Some Hardwork(努力を重ねる)こともできます。そして、ゴールにたどりつきます。
このように、言葉を注意深く選ぶと、人生を救ったり、変えたりできるし、こわれた人間関係を修復できるし、自信をつちかい、成功することもできるのです。
できると信じて行動する人生を
最後にみなさんに提案です。できると思って行動する(live Inspired)、30日間チャレンジをしてください。
Invest in Your Possibilities (可能性に投資する)
きょうできることを何でもします。
Neutralize Naysayers (だめだという言葉をニュートラルにする)
アインシュタインは、こんな意味の言葉を言っています。
「ネガティブな考え方をしていると、すべての解決策に問題が見つかってしまう」。
この言葉を、「ポジティブでいると、どんな問題にも解決策が見つかる」、と言い換えてみるのはどうでしょうか?
Surround Yourself with Inspiration (インスピレーションに囲まれる)
インスピレーションを与えてくれるものに囲まれるようにしてください。
読む本、共に過ごす人、聴く音楽。こうしたものがインスピレーションを与えてくれます。
Put Your YES in Motion (イエスを行動にする)
「イエス」という気持ちを行動をして、成功を信じて動きます。
Insist You Will – Now DO (行動にこだわり、いま、行動する)
ただ願っているだけでなく、行動することを心がけてください。
困難なことをしてください。難しいことをしていれば、やっているうちに、それは簡単なことになります。
Recharge(再びチャージする)
バッテリーがなくなってきたら、チャージします。
Elevate Your Energy (エネルギーレベルをあげる)
チャージすれば、自分のエネルギーレベルがあがります。そう信じれば、いつも、もう一段回上のレベルに行くことができます。
Distribute Your Inspiration to Others (他の人にインスピレーションを与える)
したいことができると思える人生ほど、他人に伝染するものはありません。
重要なのは言葉です。
//// 抄訳ここまで ////
単語の意味
wordsmith 言葉細工師 新しい語をたくみに作り出す人、プロのたくみな文章書き。
page-turner ページ・ターナー。どんどんページをめくって読み進めてしまうおもしろい本
dissecting aortic aneurysm 解離性大動脈瘤 大動脈の壁の一部がはがれて瘤(こぶ)ができる病気。こぶが破裂すると、出血する
bam moment 最悪の瞬間
rolodex ローロデックス、机の上におく、回転式カードホルダー、名刺の整理に使う
Actions speak louder than words. 行動は言葉より大声で話す⇒行動や言葉より説得力がある。
naysayer いつも反対する人
言葉に関するほかのプレゼン
あなたの言葉がお金をためる能力に影響を与えている?(TED)
自分の言葉を観察するすすめ
自分がふだんしゃべっていることを、注意深く観察すると、自分の思考パターンに気づくことができます。
いつも考えていることが、言葉にしっかり出るからです。
こんな口癖がある人は物を持ちすぎ。断捨離どきのサイン、6パターン。
政治家や著名人が失言して、あとで取り消したり、あやまったりしますが、考え方を変えないと、また同じようなことを言ってしまいます。
この場合、口にする言葉や、脳内でしているセルフトークを意識して変えていくと、考え方も変わります。
それは、部屋の片付けと、頭の中の整理が相互に関連しながら、散らかったり、片付いたりするのと似ています。
おもしろいですね。
ぜひ、ふだん自分が話していることや、頭の中で使っている言葉、書いている言葉に意識を向けてみてください。
いろいろな発見があると思います。
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今回のプレゼンは、英語に興味のない人にはわかりにくかったかもしれません。
「もう少しわかりやすく、うまく訳せんのか、筆子」と自分で思いましたが、今のところこれがせいいっぱいです。
すみません。引き続き、精進します。