退屈を楽しめれば、ものは増えない

ミニマルな日常

ページに広告が含まれることがあります。

何もすることがない時間は、退屈に感じます。

その退屈をスマホや買い物で埋めようとすると、家にものがたまり、頭に情報がたまり、出費まで増えます。

今回は、退屈との付き合い方を見直して、暮らしを軽くする方法をお伝えします。

退屈しのぎのスマホがすっかりクセになっている人も多いもの。

今度スマホに手を伸ばす前に、少し考えてみてください。

スマホをさわってしまうのは、退屈だから

手持ちぶさたを感じると、たいていの人は無意識にスマホをさわります。

退屈とは、何か刺激がほしいのに見つからない状態。そんなとき、いつもそばにあるスマホが、求めている刺激をくれます。

なぜ、すぐスマホに手が伸びるのでしょうか?

私たちの暮らしが目新しいもので埋めつくされているせいです。

スマホには、新しい投稿、通知、おすすめ動画、セールの知らせが、ひっきりなしに流れてきます。

しかも、いつ何が来るかはわかりません。

ときどき、おもしろいものやお得な知らせが混ざっています。

この、たまにいいものがあるので、どんどん見てしまいます。

そのうち、たえず何かが起きている状態がふつうになり、満足できる基準が上がります。

すると、静かで何もない時間が、物足りなく、落ち着かないものに感じられます。

退屈に耐えられなくなってくるわけです。

刺激の多い暮らしに、私たちの頭が適応してしまいました。

問題は、スマホを使うと退屈を埋めるだけで終わらないことです。

最初はSNSをのぞくだけのつもりが、流れてきた広告から通販サイトに行き、おすすめ動画を再生し、気づけば別のアプリを開きます。

買い物、情報集め、課金につながります。

退屈しのぎの買い物が、ものを増やす

退屈をスマホで埋めるせいで、いちばん無駄に増えるのがものです。

本来買い物は、必要なものがあるからすること。

ところが退屈を埋めるためにする買い物は、買う行為そのものが目的なので買うものは何でもよくなります。

そのせいで、いらないものを買ってしまいます。

通販サイトは、この流れを後押しします。

タイムセールやおすすめ商品の表示、あと少しで送料無料になる案内など、頼んでいないのにしてくれます。

なんとなくスマホをさわって、ぼーっとしているときほど、こうした仕掛けにはまりがちです。

気晴らしは注文ボタンを押した時点で終わっています。

荷物が届くころには、買ったことすら忘れているかもしれません。ものだけが家に残ります。

こうして入ってきたものは、置き場所をとり、ほこりをかぶり、いつか片づける対象になります。

一つひとつは小さな買い物でも、数がたまれば管理に時間も手間も取られます。

⇒ものがほしい、買いたい。そんな気持ちとの付き合い方

頭の中にも、いらないものがたまる

無意識にスマホをさわるとき、余計な情報を受け取ってしまいます。

SNSの投稿、短い動画、ニュースの見出しが、次から次へと目に入ります。

どれも、ほんの数十秒で流れていく断片。

その多くは、知らなくてもいいことかもしれません。縁もゆかりもない人の近況、買わなくていい商品の広告、気持ちが落ち込むだけの話題。

長々と見てしまうと、画面を閉じたあとも気持ちがすっきりせず、疲れだけが残ります。

疲れるだけなら休めば戻ります。

本当にやっかいなのは、頭が雑多な情報でいっぱいになり、大事なことを考える余白がなくなることです。

他人の暮らしや、次々と流れてくる宣伝に触れ続けるうちに、だんだん他人軸になります。

あの人が持っているから、みんなが使っているから、と気持ちが動き、必要のないものまでほしくなるのです。

情報は目に見えません。

ものなら床に積み上がれば気づきますが、頭の中の散らかりはなかなか自分では気づけません。

⇒食事中も会話中もつい手が伸びる。ながらスマホのやめ方。

退屈は一瞬、サブスクは一生

退屈しのぎのスマホはお金も奪います。

退屈なときに、なんとなく始めることがあります。

動画や音楽のサブスク、ゲームの課金、漫画やニュースの有料プラン、アプリの追加機能。

最初は無料体験や数百円なので、軽い気持ちで登録ボタンを押すでしょう。

こうしたサービスは、一度登録すると、使っていても使っていなくても、毎月自動で引き落とされます。

物理的なものが届くわけではないし、すべてキャッシュレス決済なので、お金を使っている実感はあまりありません。

カードの明細を見て初めて、こんなに払っていたのかと驚きます。

1回、数百円の支払いでも、いくつもあれば月に数千円、1年では数万円です。

⇒スマホでマンガを読みすぎるあなたへ:見えない浪費を断捨離する方法

退屈の扱い方を変える

退屈しのぎが増やしてしまう困ったものを3つ見てきました。

解決する方法は、退屈をなくすことではありません。私のおすすめは退屈そのものへの考え方を変えることです。

何もすることがない時間は、空っぽの無意味な時間ではありません。

それは、何にも追われていない、自分のためのありがたい余白です。

画面から目を離すと、自分の気持ちに意識が向きます。

さっき見た他人の投稿でも、おすすめの広告でもなく、自分はほんとうは何がしたいのか。

何もしない時間は、その小さな声を聞き取る時間でもあります。

ぼんやりしているうちに気持ちが落ち着いたり、思いがけないアイデアがふっとわいたりします。

スマホで埋めてしまうと、そのチャンスを失ってしまいます。

だからまずは、退屈を無理に埋めず、そのままにしておいてください。

最初のうちは、手持ちぶさたで落ち着かないかもしれません。

何かしなくては、とそわそわするのは、いつものクセがうずいているだけです。

そこでぐっとこらえてスマホをさわらずにいると、ざわつきはやがて引いていきます。

スマホをチェックしなきゃ、という衝動は待っていれば過ぎていく波のようなものです。

むやみに打ち消さなくても、しばらくすれば、気持ちは自然と穏やかになります。

この行動を何度かくり返すうちに、何もしない時間が、少しずつ心地よく思えてきます。

スマホがなくても平気な自分になっていることに気づくでしょう。

すると、暮らしの中にあるちょっとしたことが、楽しめるようになります。

朝のコーヒー、窓から見える空、本のページをめくる時間。

どうしても何かしたくなるなら、そのときは、スマホに手を伸ばすのではなく、本当にやりたいことをスタンバイさせておくといいです。

読みかけの本、手をつけたかった片づけ、やりたいと思っていた家事。

手持ちぶさたになったら、こうしたことをすればいいのです。これなら、ものも情報も出費も増えません。

終わったあとには何かが残ります。

片づいた引き出し、読み終えた一冊、すっきりした気持ち。

私は、仕事や家事、趣味のほかに時間があいたら、ぼーっとしたり昼寝をしたり、何かを書いたりしています。

予定を入れない時間があるから、頭が休まって、また仕事をする元気がわいてきます。

無理に退屈を埋めようとはしません。

そのほうが豊かな生活だと思います。

⇒暇でつい買い物してしまう理由と、「買わない時間」を増やす方法

****

退屈を感じると、何かしなくてはと落ち着かなくなります。

でも、それは刺激に慣れた頭が身につけたクセです。

人間は本来、退屈に強くできています。

人類は長い間、刺激の少ない環境で暮らしてきました。退屈を楽しめるのがデフォルトだと思います。

今度退屈になったら、何もしないことを選んでください。

静かな時間を楽しみましょう。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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