ページに広告が含まれることがあります。
年々、日本の夏は暑くなるばかりで、どうしようもない。
読者から、そんなお便りをよくいただきます。
暑くて片づける気力がわかないなら、今は無理にしなくていい、というのが私の考えです。
ものを減らす作業は、涼しい季節にやったほうがはかどります。
暑いあいだは、部屋を散らかさないよう気をつけるだけで、暮らしはちゃんと回ります。
今回は、がんばらなくてもできる、夏向きの守りの片づけをお伝えします。
夏に大がかりな片づけをすると、たいてい失敗する
片づけは、思った以上に体力を使う作業です。
収納から全部出す、いるかいらないか決める、袋に詰める、運ぶ。
ふだん使わない筋肉を使いますし、ホコリも吸います。
いる・いらないの判断を何十回もくり返すので、頭も疲れます。
しかも、押し入れやクローゼットの中は風が通らないので、閉め切った収納スペースの前にしゃがみこんで作業をすると、想像以上に暑く、熱中症の危険もあります。
夏は、ただ暮らしているだけで、暑さに体力を奪われます。
そこに大仕事をのせたら、どうなるか。
途中でバテます。
バテると、出したものを戻す気力が出ないので、床に広げたまま終了。
部屋は、始める前より散らかります。
その部屋を見て気持ちが沈み、ますます手をつけたくなくなる。
猛暑の大がかりな片づけは、こんな悪循環になりやすいのです。
私は27歳の夏、大々的にものを処分したことがあります。
ボーナスをもらって会社を辞めた直後で、時間だけはたっぷりあったので、急がず、のんびりやっていました。
それでも、本を整理していたら、どっと疲れました。
本は重いし、ホコリは出るし、つい中身を読んでしまうし。
夕方には、何も考えられなくなっていました。
20代で、マイペースでやっても、この有様です。しかも40年前の話で、今ほど日本の夏は暑くありませんでした。
夏は攻めを休んで、守りだけでいい
では、どうするか。
私は、片づけを攻めと守りに分けて考えることをおすすめします。
攻めは、ものを減らす片づけです。
断捨離、大がかりな整理、収納の見直しがこれにあたります。
守りは、部屋をこれ以上散らかさない、ものを増やさないための行動です。
攻めは、達成感が大きいぶん、消耗も激しい作業です。
暑さに耐えるだけで精一杯の時期には向きません。
一方、守りに必要なのは、毎日のちょっとした手間だけ。
汗をかくほどのことは、1つもないのです。
夏のあいだは攻めを休んで、守りに専念してください。
それで大丈夫なのかと不安になるかもしれませんが、現状さえ維持できていれば、涼しくなった日から、すぐに攻めを再開できます。
ここから、具体的な守り方を2つ紹介します。
守りその1:入ってきたものは、その場で置き場を決める
夏は、意外とものが入ってくる季節です。
お中元やおすそ分け、帰省のおみやげ、箱買いした飲みもの。
暑さ対策に、冷感タオルやハンディファン(手で持てる小さな扇風機)を買い足した人も多いと思います。
どれも害はありませんが、放っておくと、テーブルや玄関に少しずつたまっていきます。
勝負は、ものが家に入ってきた瞬間です。
とりあえずテーブルの上へ、とりあえず紙袋のまま床へ。
この、とりあえずの一時置きが、散らかった部屋の始まりです。
暑いと、あとでやろうと思いがちですが、その「あと」は、なかなか来ません。
ものが入ったら、その場で置き場を決めてください。
冷感タオルなら洗面所の引き出しへ、飲みものの箱なら台所の隅と、即座に行き先を決めて、すぐ移動させます。
おみやげのお菓子は紙袋から出して食品棚へ入れ、あいた袋はその日のうちに処分します。
しまう場所が見つからないなら、家にものがありすぎるサインです。
いらないものは、家に入る前に断ってください。
たとえば、ケーキや冷たい食品を買うとつけてくれる保冷剤。
必要なときは確かにあるでしょう。でも、すぐに家に帰るなら、なくても困りません。
もらい続けると、冷凍庫の一角が保冷剤だらけになります。
ふだん使う数だけあれば十分なので、それ以上は「いりません」と言って断ります。
こうした断りの言葉も、守りの1つです。
守りその2:平らな面を空けて、一日を終える
平らな面は視界に入る面積が大きいので、ここがきれいだと、部屋は乱れて見えません。そこで、平らな面に何も置かずに、一日を締めくくってください。
机、ダイニングテーブル、キッチンカウンターなどです。
家じゅうの面を空ける必要はありません。
まずは、いちばん目につく面を1つ選んでください。
やることは、寝る前に、その上にのっているものを元の場所に戻すだけです。
戻す場所がないものは、どこに収納するか考えます。
私は、仕事が終わったら、机の上を何もない状態に戻します。
寝室の机も同じです。
キッチンのカウンターも、夜、洗いものを済ませたら、全部しまって一日を終えます。
かかる時間は、それぞれ数分です。
朝起きて、何もない机やカウンターを見ると、それだけで気分よく動き出せます。朝食の支度にも、自分の好きなことにも、すぐ取りかかれますよ。
反対に、面にものがいくつかのっていると、次のものを置いてしまい、どんどん散らかっていきます。
面さえ守れば、暑さで何もできない日が続いても、部屋は荒れ放題になりません。
どうしても動きたい日は、朝の涼しいうちに少しだけ
守りに専念してくださいと書きましたが、たまには捨てたくてうずうずする日も出てくるかもしれません。
そんな日は、時間帯と場所をしっかり決めてから動いてください。
時間帯は、気温が上がる前の朝いちばん。
場所は、1か所だけです。
引き出し1つ、棚1段。それで終わりにします。
風の通る部屋や玄関まわりなど、涼しいところを選んでください。
エアコンの効いた夜にやる手もありますが、一日の終わりは疲れがたまっていて、いる・いらないの判断が鈍ります。
頭がすっきりしている朝のほうが、短時間で確実に進みます。
調子が出てきたからといって、日中の暑い時間まで続けてはいけません。
先に書いたとおり、バテたら逆戻りです。
以前、日本に帰省するたびに、母と実家の片づけをしていました。
やるのはいつも朝だけで、お昼になったら手を止めて、午後は休んでいました。
1回の片づけで整理できるのは少しでも、毎日続けていたら、ものがだんだん減っていきました。
短い作業でも、積み重なれば、ちゃんと前に進みます。
朝の1か所では物足りない。そう思うくらいでやめておくのが、夏にはちょうどいいのです。
⇒すぐ元に戻せる部屋を作る5つのルール。がんばらなくても散らからない
⇒不快な夏にさようなら。部屋が涼しくなる7つの断捨離ポイント
⇒夏の洗濯がしんどいなら~タオル・部屋着・寝具を減らせばラクになる
****
夏の目標は、片づけを進めることではなく、今の状態を保つことです。
それができたら、十分。
暑くて動けないのは、さぼりではありません。季節に合わせてペースを落としているだけです。
白状すると、私が住んでいる家はベースメント(半地下)で、夏もそれほど暑くなりません。
そんな私が、夏、日本に行くと、ものすごく体力を消耗します。
短い滞在でもこれだけ疲れるのですから、あの暑さの中で毎日暮らして、家事や仕事もこなしている人は、なおさらです。
だから、無理をしないでください。
本気を出すのは、朝晩の空気が変わるころからで間に合います。














































