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物を捨てられない読者の相談に返信します。
まず、メールをシェアしますね。トマトさんからいただきました。
作業が進まず困っています
件名:断捨離、終活、遺品整理はかどりません。
61才男性です。
いつもお世話になっております。
他の方も書いておられますが、筆子さんに出会うまでに色々他の方の片付け本を読んで来ましたがしっくりいかず、自分もその類いで、「1週間で8割捨てる技術」で筆子さんにハマリました。
読んでいてなるほどと、説得力があり内容が頭にスーっと入ってきます。
とても参考になり片付けが行き詰まったら筆子さんの本や、筆子ジャーナルの記事を読み返しながら、また作業に戻ると言った感じて日々断捨離、終活、遺品整理をまとめてやっています。
捨てる作業が進まない
本題ですが、
とはいえ、なかなか作業が進まず、困っております。
特に先祖代々からの年代物、骨董品、母親、父親の遺品、なかなか気持ちの整理がつかず。
自分の幼い頃から今日までに至る想い出の品々。
特にマラソン大会の出走表、山の本、好きなアーティストのCDやDVD、500冊を超える本、1万枚近くの家族、自分個人の想い出の写真、ネガフィルム、などなど…
実家、長男ということもあり物はとても多いです。
整理整頓はどちらかと言えば昔から得意な方で、掃除は昔から好きでごみ屋敷と言った感じではなく、どの部屋も見た目はとても綺麗ですが、物が多いといった感じです。
終活も含め考えると、残りの自分の時間を計算すると、とてもゾッとします。
想い出を捨てることができない
ここだけの話
数十年前に自分の方から家族を捨てる薄情な、ひとでなしな事をしているので、子供(長男)に後始末をさせるのは心苦しく
家族は捨てて、物が捨てれない…
想い出が捨てれない
と、まったくもって恥ずかしくて情けなくなります。
今が決断の時、今が決断の時
わかっているのですが、足踏み状態の今、本日筆子さんにお便りいたしました。
お仕事お忙しいとは思いますが、お身体大切にお過ごし下さい。
失礼いたします。
トマトさん、こんにちは。お便りありがとうございます。いつも、ブログや著書を読んでいただき、うれしく思います。
物がいっぱいあって、捨てなければいけないとわかってるけど、捨てられない、ということですね。
今回は、3つアドバイスします。
気持ちの整理をする
トマトさんは物に愛着が強いタイプだと思います。
それぞれの物に過度に感情移入をしていますよね?
そういうときは、気持ちを整理すれば断捨離も進みます。
ほかの方にもおすすめしていますが、モーニングページを書くか、ブレインダンプをして、自分の感情と向き合う時間を作ってください。
1日30分ぐらいでOKです。
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
特に考えていただきたいのは、
・自分は何のために断捨離をしようとしているのか? もし、今、家にある物を捨てなかったらどんなことが起こるか? その状態を自分はどう思うか? 好ましく思うか?
・遺品を全部取っておく必要があるのか? あるとすれば、その理由は何か? 自分はその理由に納得するか?
・思い出の品物をすべて取っておく必要があるのか? あるとすればその理由は何か? 自分はその理由に納得するか?
・老後はどんなふうに時間を過ごしたいか? ずっとたくさんの物に囲まれて暮らしたいか? 「捨てなきゃ、捨てなきゃ」と思いながら暮らしたいか?
ご家族を捨てたそうですが、過去のことは今さらどうこうできないので、それはそれ、物の整理は整理、と考えてください。
トマトさんは、昔やったことに罪悪感があるせいで、自己肯定感がさがり、さらに、物を捨てられない状況に対しても、自己嫌悪を感じていらっしゃいますよね?
そんなふうにセルフイメージが悪いときは、何をやってもうまくいきません。
繰り返します。
何をやってもうまくいきません。
セルフイメージが悪すぎる状態が、自分のためになることなんて何ひとつないんです。
だから、まず、今の状況を受け入れてしまってください。
結果的に家族を捨ててしまったが、あのときは仕方がなかった、失敗したけど、人は誰だって失敗する。これから、もっといい選択をしていけばいいんだ、と考えるといいんじゃないでしょうか?
自分がコントロールできるのは、今何を選択するか、だけです。
家族の件で強いわだかまりがあるなら、必要であれば息子さんと話したりして、気持ちを整理してください。
作業は少しずつ行う
トマトさんのように、捨てるものがたくさんある人は、細分化が一番有効だと思います。
家の片付けという一大プロジェクトは、タスクを細分化しなければ成功しない。
すべてを一気に捨てる必要はありません。
捨てたいと思っている物の中で、もっとも捨てるハードルが低いものから、順番に1日15分ずつ、捨てるのはどうでしょう?
今から捨てなければいけないものを書き出して、方針を立てるところから行うといいでしょう。
年代もの、骨董品、遺品、写真、ネガ、書籍、メディア(CD/DVD)、その他捨てるべきものをカテゴリーごとに分けて書き出し、一番捨てやすいものを見つけてください。
メールに書かれているものの中で、今すぐ捨てられると思うものはネガです。
ネガ、いらないですよね? 焼き増しする予定あるんですか?
すでに1万枚以上写真があるのに、さらに写真を増やすなんて、ありえないですよね?
まあ、カメラマンは、別の意見があると思いますよ。ネガは大事だとか。
でも、もっと大事なのは、自分の生活や、その生活のベースとなる時間やスペースです。
写真やネガは、自分の人生を豊かにするために所有するのであって、人生の質を下げるためにもつものではありません。
今はネガがなくても、写真から写真をプリントできます。この記事を読んだらすぐに捨ててください。
ネガは通常、燃えないゴミ、量が多いときは、リサイクルしてくれる業者に持ち込みましょう。
遺品やコレクションの捨て方
メールにあった、それぞれのアイテムの処分について、簡単に説明します。
骨董品
最初に自分で全部見て、明らかなゴミを捨てたあと、残った物は、プロに鑑定してもらうといいでしょう。
先日、着物を鑑定してもらった読者の記事を紹介しましたが、似たような作業をすればいいと思います。
いらない着物、どうしてる? 読者のリアルな処分体験談を紹介します。
鑑定してもらったあと、買い取ってもらったり、処分をお願いしたり、専門の博物館に寄付したりすればいいですね。
遺品
遺品については過去記事を参照してください。
遺品を片付ける7つのステップ~いつまでも捨てることができない人へ。
親の遺品を片付けなければ…と思うばかりで、全く作業が進まない。どうしたらいい?
遺品を捨てられないのは、「遺品を捨てると、親とのつながりが絶たれる」とか、「親不孝になる」と感じているからだと思います。
でも、そんなことは起きません。
まず親子のつながりは切れませんよね? トマトさんが捨てたという息子さんだって、トマトさんのことを、「僕たちのことを捨てた親父」と認識しているはずです。
この認識はそう簡単にはなくなりません。捨てた側も捨てられた側も、かつて親子関係にあったという記憶はいつまでも残ります。
だからこそ、今、トマトさんは、「息子に申し訳ない」と思っているわけです。
つながりは消えない。だから捨てても大丈夫です。そして、捨てることは親不孝ではありません。
亡くなったご両親は、トマトさんを苦しめたいとは思っていません。
トマトさんには、幸せでいてほしいと願っているはずなので、トマトさんが幸せになる選択をしてください。それは、遺品を少し整理して、最重要なものを少しだけ残すことではないでしょうか。
写真
写真の捨て方も過去記事に書いています。
古い写真を整理するとき、残す写真を選ぶ基準。箱にまとめて入れてます。
1万枚もあると、チェックするのが大変なので、私なら、中身を見ずに、すべてをがさっと捨てる気がします。
人が写っているから捨てると罰が当たると思う人がいますが、当たりません。私は、何も起きませんでした。
気が引けるなら、神社でお焚き上げをしてもらうといいでしょう。
思い出品
思い出のものは厳選してください。
思い出は心の中にあるから物はいらない。こう割り切れない時の気持ちの整理の仕方。
マラソンの出走表って何ですか? マラソン選手の名前が印刷してある紙切れでしょうか?
ご自身が出場したマラソンですか? それとも、ほかの人が出たマラソンでしょうか?
そのマラソン、もう終わっているんですよね? なぜそんなものを取っておく必要があるんですか?
こうしたものは私には不用ですが、何らかの理由で取っておかないと困るなら、デジタル化をおすすめします。
ペーパーレスを意識する~ガラクタを増やすライフスタイルをやめる(その6)
メディア(CD/DVD/書籍)
これらは、トマトさんのコレクションなんでしょうね。
コレクションについても、過去記事に書いていますが、大きなコレクションを管理しながら生きるのはけっこう大変です。
そうする覚悟があるのか自問してください。
覚悟があるなら、場所を借りて、人を雇って、いつでも参照しやすいように並べておくといいでしょう。
無秩序に、がーっと全部どこかにしまっておいても、コレクションする意味がないと私は思います。
もし、コレクションの管理に時間や手間、お金をかけたくないなら、思い出の品と同じように、厳選してください。
まとめ
トマトさんへのアドバイスをまとめると
1)気持ちを整理する
2)1日15分、少しずつ捨てる
この2つです。考え方としては
1)思い出は心の中にある、物はそんなにいらない。
2)大事なのは物ではなく、今の自分の人生や生活である
この2点を肝に銘じてください。
では、トマトさんの片付けがはかどることを祈っています。がんばってくださいね。応援しています。
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読者のお便りに返信しました。
物がたくさあると、「こんなに捨てられない」と暗い気持ちになるかもしれませんが、毎日コツコツ捨てていけば、どんどんきれいになっていきます。
量が多すぎるときは、人に頼んだり、プロを雇ったりする道もあります。
「ああ、無理だ~~~」と思わずに、とりあえず、きょうは15分だけでいいので、その時間を使ってできるだけ多くのネガを不燃物の袋に入れましょう。
こうした作業を積み重ねていけば、自信もつきますので、どんどん断捨離が加速します。