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世界中のスピーカーがさまざまな視点や経験をシェアするTEDトークは、私たちに新たな気づきやインスピレーションを与えてくれます。
今回は、2022年12月後半から2023年5月はじめに投稿した20本のTEDトークの記事をまとめました。
テーマは多岐にわたり、消費文化の見直しや心理学、健康に至るまで、どれも実生活に役立つ内容です。
この時期は特に、変化や困難に対応する知恵を伝えているものを数多くとりあげています。
それぞれのトークから、新しい視点や行動のヒントを見つけてください。
2022年12月19日~2023年5月8日に投稿したTED記事のまとめ
タイトルは、In all we collect, where do we spot the really important things? (私たちが集めたすべての物の中で、本当に大切なものはどこにあるのか?)
プレゼンターはものを集めるのが好きな、Bob Stein(ボブ・スタイン)さん。彼は69歳ですが、これまで集めたものを、全部捨てずに箱に入れて持っています。
その箱が大量にあるため、彼は、後々、ほかの人に迷惑をかけるんじゃないかと考え、もっと中身を活用することにしました。
本来、ものを集めることが大好きな人が、ものを持つことは目的ではなく手段だと語っているこのプレゼンは、コレクションが好きな人の参考になるでしょう。
タイトルは Consumer Culture: The Day Your Baby’s Wardrobe Became Better Than Yours (消費者文化:あなたの赤ん坊の服が、あなたのものよりいいものになった日)。
サステイナブルなキッズファッションを提供している、Vigga Svensson(ヴィッガ・スヴェンソン)さんの講演です。
服を買って使い捨てるのではなく、もっと持続可能につながる消費をすべきだという内容。
物を減らし、質の高いものを長く使うことが大切だと知りながらも、持続可能な素材やエコな製品を選ぶだけで満足してしまい、実際には使い切れないほどたくさんのものを持ってしまうことがあります。
消費スタイルを見直すきっかけになるトークです。
タイトルは、Perspective is everything(見方がすべて)
著名な広告マンである、Rory Sutherland(ローリー・サザーランド)さんのトークです。
物事の捉え方が私たちの感情や行動に大きな影響を与えることを、身近な例を使って説明しています。
自分が幸福かどうか感じるとき、実際の状況よりも「選択の自由」や「コントロールできている感覚」のほうが重要です。
マーケティング、心理学、プロダクト開発にかかわっている人だけでなく、日常生活の問題を解決したい人や、意思決定に苦労している人におすすめのプレゼンです。
タイトルは、How to break down barriers and not accept limits(バリアをこわして、限界を受け入れない方法)。
バスケットボール選手の、Candace Parker(キャンディス・パーカー)さん。
タイトルどおり、目の前に立ちふさがっている壁を乗り越えて、限界を突破したい人におすすめの内容。
限界は、実は私たち自身が無意識に作り上げているので、そこに気づいて、自分で壊さなくてはなりません。
自分を小さく見積もらず、世界が期待する姿に合わせるのではなく、自分の力を信じて行動すること。これが変革や成長につながります。
タイトルは、The Ten Keys to Happier Living (より幸せな生活への10の鍵)。
ポジティブ心理学のエキスパート、Vanessa King(ヴァネッサ・キング)さんの講演です。
ポジティブ心理学は、人々がより良い生活を送るために、幸福感や満足感、その人の強みや良さに焦点を当てる心理学の分野です。
伝統的な心理学が主に心の病や問題の解決に注目するのに対し、ポジティブ心理学は人間のポジティブな側面、つまり幸福やレジリエンス(回復力)、感謝、希望、楽観主義などに焦点を当てています。
この学問の目標は、人々が自分の潜在能力を最大限に引き出し、充実した人生を送るために役立つ方法や考え方を探求することです。
実際、ポジティブ心理学の考え方を採用すると、幸福度があがります。
タイトルは、Run, Jump, Learn! How Exercise can Transform our Schools(走れ、跳べ、学べ! いかに運動が私たちの学校を変えるか)
医学博士のジョン・レイティ(John J. Ratey)のトーク。
運動は単に健康にいいだけでなく、学習能力や感情の調整、認知機能にも大きな影響を与えるという内容です。
運動を通じて、注意力、記憶力、モチベーションが向上し、さらには脳の可塑性を促進する「BDNF」という物質が分泌されるという具体的なメカニズムが紹介されており、科学的な裏付けも十分に感じられます。
学校や生徒の例があげられているので、親しみやすいです。
運動したいと思いつつ、なかなかできない人におすすめ。
タイトルは、Why You Should Bring Your Whole Self To Work なぜ、職場に自分自身をすべてを持ち込むべきなのか?
コンサルタントの Dan Clay (ダン・クレー)さんのトーク。
クレーさんは、ゲイで女装するのが好きですが、そういう自分は職場では隠していました。
しかし、ネットで、女装している姿が拡散されて、雑誌にまで取り上げられました。
当然、彼の秘密は職場の人にばれましたが、恐れていたようなことは起きませんでした。
職場で、100%自分らしさを発揮してもいいし、むしろそのほうが、自分にも職場にもいいのだと伝えるプレゼンです。
自分の一面を隠すのは、嘘をつくことなので、すごくエネルギーがいりますよね。
隠さなければ、そのエネルギーをもっと重要なことに使うことができます。
タイトルは、Breath — five minutes can change your life(呼吸:5分間が人生を変える)
ヨガのインストラクター、Stacey Schuerman(ステイシー・シュアマン)の講演です。
文字通り、呼吸の仕方を教えてくれるプレゼン。
1日のうち、たった5分でもしっかり呼吸をすると、とても健康にいいそうです。
ストレスが多い毎日を送っている人におすすめしたいトークです。
タイトルは、Perfectionism – The Battle of Never Feeling Quite Good Enough(完璧主義:十分よいと決して感じないこととの戦い)
ビデオゲームのプロデューサー、Julia LeGallo(ジュリア・ルガロ)さんの講演。
ルガロさんは仕事もプライベートもうまくいき、幸せなはずでしたが、ある時、恥の気持ち、無力感、自己嫌悪に襲われます。
その原因は完璧主義にありました。
何を達成しても、十分だと思えず、次に登るべき山が、目の前に表れ続けていたのです。
彼女には、「完璧に行動しないと、人々が自分に失望し、拒絶されてしまう」という恐れがあり、その結果燃え尽きました。
ここに気づいて、ジュリアさんが完璧主義を手放そうとしたとき、実際にうまくいった方法がシェアされています。
完璧主義のため、疲れる日々を送っている人は、ぜひ見て下さい。そのままいくと、病気になるかもしれません。
タイトルは、How to get back to work after a career break(キャリアが中断されたあと、いかに仕事に復帰するか?)
再就職者の専門家、 Carol Fishman Cohen(キャロル・フィッシュマン・コーエン)さんのトーク。
コーエンさんは、キャリアコンサルタントみたいな仕事をしています。
コーエンさん自身が、フルタイムの仕事をやめたあと、11年、ブランクがありました。
今のご時世、ブランクがあるからと言って、ずっと仕事しないわけにはいきませんよね。人生は長いし、生活費は高い。
ブランクがあるせいで、就職活動をためらっている人に見ていただきたいプレゼンです。
タイトルは、Creativity: Fast Changes require Slow Thinking! (創造性:素早い変化にはスローな思考が求められる)
創造性の専門家で大学教授のGiovanni Corazza(ジョヴァンニ・コラッツァ)さんのプレゼン。
めまぐるしい変化に対応するためには、創造力を発揮して、ゆっくり深く考えるべきだと伝える内容です。
たまにクリエイティビティに関するプレゼンを紹介していますが、創造力を磨くことは特別な人たちに必要なわけではなく、より自分らしく生きるために、また現代社会を生き抜くために重要です。
シンプルライフは、不用なものを手放しながら、自分にとって本当に大切なものを見つけ出すプロセス。
コラッツァさんがすすめるように、ゆっくり考えながら進めることが有効です。
タイトルは、When is “enough” really enough? いつ「十分だ」が本当に十分になるのか?
ベトナムの人気シンガー、Hoan My Khuong(ホアン・ミー・フオン)さんのトークです。
「もう十分だ」と思えるのはいつか? という問いかけに対して、世間が言う成功や、体裁のよさを追求するより、自分の心の声を聞きながら、本質的な満足を見つける大切さを伝える内容。
人が決める成功や「十分であること」に左右されすぎると、いつまでたっても「十分だ」とは思えないでしょう。
ホアンさんは、若者にメッセージを伝えていますが、中高年にも響く内容です。
タイトルは、Does photographing a moment steal the experience from you?(その瞬間、写真を撮ることは、あなたから体験を奪うか?)
トラベルフォトグラファー、Erin Sullivan(エリン・サリヴァン)さんのトークです。
写真撮影は、その場の体験をより意味のあるものにしてくれるときもあるが、逆にせっかくの体験を奪うことがあると伝えています。
両者を分けるのは、そこに意図があるかどうか。
自分のために撮影するなら、その瞬間をより深く楽しめますが、他人に見せるためなら、その体験は薄れてしまいます。
今、誰もがスマホで好きなだけ写真を撮ることができます。写真を撮るのがくせになってしまい、「今ここにいること」をないがしろにしたくないですね。
タイトルは、How to Tap into Your Awareness(あなたのアウェアネスに入り込む方法)。ヨガのスペシャリスト、Yongey Mingyur Rinpoche(ヨンジー・ミンギュル・リンポチェ)さんの講演です。
「アウェアネス(Awareness)」は、「意識」や「気づき」という意味です。何かに対して自分がしっかりと気づいている状態を指します。
瞑想の本質は、余計な思考や感情にとらわれず「今ここ」にいることだと伝えています。
とてもユーモアのあるプレゼンで、難しく思いがちな瞑想をシンプルに説明してくれているので、瞑想に偏見のある人におすすめ。
「考えすぎず、感じすぎず、ただあるがまま受け入れる」という姿勢は、ストレスを軽減するためにも、おすすめしたいことです。
タイトルは、The Power of Small (小さなことのパワー)
心理学者の Aisling Leonard-Curtin(アシュリン・レオナルド=カートゥン)さんのプレゼンです。
困難な状況や感情を乗り越えるために、小さなステップを積み重ねることが有効だと教えてくれます。
つらいできごとに対する人間の反応には2種類あり、1つはアウエイ・ムーブ(ほかのことで気を紛らわせたり、考えようにしないようにして避けること)、もう1つはトゥワード・ムーブ(自分の感情に向き合うこと)です。
アウエイ・ムーブは、一時的ないやしを与えてくれますが、本質的な解決には結びつきません。居心地が悪くても、トゥワード・ムーブをしたほうが、充実した人生になります。
アシュリンさんは10代のとき、交通事故で弟さんを亡くした悲しみにずっとさいなまれてきました。
同様の悲しいできごとにあった人に、勇気を与えてくれるプレゼンです。
タイトルは、The Habit That Could Improve Your Career (キャリアを向上させる習慣)
経営コンサルタントの Paul Catchlove(ポール・キャッチラブ)さんの講演です。
自分自身やキャリアの改善に役立つ、「振り返り(リフレクション)」の重要性とその実践方法を伝える内容。
ユーモラスで親しみやすく、ポールさんの多彩なキャリアのエピソードに引き込まれます。
キャリアに悩んでいる人、もっと成長したい人、よりよい意思決定をしたい人に特におすすめですが、そうでない人も、聞いていただき、振り返りを試してもらいたいです。
タイトルは、The Future Will Be Shaped by Optimists (未来は楽観主義者によって形作られる)
編集者でライターの、Kevin Kelly (ケヴィン・ケリー)さんのスピーチです。
楽観主義は未来を形作るための力であり、問題を解決し続けるために必要不可欠な視点であると伝える講演。
科学的データと歴史的事例をもとに楽観主義の重要性を説いていて、難解なテーマをわかりやすく解きほぐしています。
最後は、希望をもち、行動せよと力強く主張しているので、最近の世界について悲観的になっている人におすすめです。
楽観主義は性格ではなく、未来をよくするために、自分で意識して選ぶことができるマインドセットです。
タイトルは、How changing your mindset can help you embrace change(マインドセットを変えることが、いかに、変化を大事にすることを助けるか?)
教育コンサルタントのManu Shahi(マヌ・シャヒ)さんのプレゼンです。
変化に直面したときの心のステージを理解し、どのようにして成長に結びつけていくか学ぶことができます。
2歳半のお嬢さんが白血病になったとき、マヌさんは、打ちのめされました。その後、マヌさんが、どうやって現実と折り合いをつけ、自分を成長させるところまでたどりついたか、シェアしています。
困難なテーマだと思いますが、ポジティブで力強いメッセージで締めくくられています。
実際に今、困難に直面している人におすすめです。家族の病気に悩んでいる人にも勇気をくれるでしょう。
私も、娘がやっかいな腸の感染症にかかったとき、このプレゼンを見直しました。
タイトルは、Buy Less, Bin Less: The Culture of Consuming(買うのを減らせ、ゴミを減らせ:消費文化)
ヴィジュアルアーティストの、Michael Pinsky (マイケル・ピンスキー)さんの講演です。
無限に消費し、無限に捨てる社会から抜け出し、持続可能な消費を目指す必要性を説くプレゼン。
マイケルさんは、過剰消費をしている文化を批判する作品、たとえば廃棄物を皆が見えるようなアートを作っています。
彼のユニークな作品を見ながら、消費に関して考え直してください。
タイトルは、Age is More than Just a Number, It’s a Journey(年齢はただの数字ではない。それは旅路です)。
コメディアンのMaitreyi Karanth(マイトレイ・カラント)さんの講演です。
マイトレイさんは、40歳のとき、自分のビジネスを手放して、演技の勉強をし、現在はコメディアン、役者、プロデューサーを生業にしています。
スタンダップコメディアンなので、マイトレイさんは、人の注意を引き付けるのがうまいです。
このプレゼンの主旨はタイトルからわかるように、年齢を重ねることは、限界を増やすことではなく、経験と情熱をベースに、新たな挑戦を始める力を得ることだと伝えています。
若くして夫に先立たれた盲目のお母さんの話が出てきますが、こんなふうに前向きに生きている人が周囲にいるといい影響を受けますね。
女性だけでなく、人生の再出発を考えている人、すべてにおすすめのプレゼンです。
これまで書いたTEDの記事のまとめ
過剰な思い込みをなくしたいあなたへ。TEDの記事のまとめ(7)
自分で問題を解決する力をつけたい人へ:TEDの記事のまとめ(8)
マインドセットを変えるヒントにどうぞ:TEDの記事のまとめ(10)
欲張るだけの人生をやめたいあなたへ:TEDの記事のまとめ(11)
脳の仕組みを知って、充実した人生を送る~TEDの記事のまとめ(13)
行動を変える秘訣を知りたいなら:TEDの記事のまとめ(15)
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これまでTEDのまとめは、いつも25本ずつ紹介していたのですが、今回から20本にしました。
読者から、それぞれのトークの説明をもっと詳しく書いてほしいという要望があったので、書きましたが、説明を書いていると、記事がすごく長くなってしまいます。
そこで、読む人の負担にならない量にすべく20本にしてみましたが、どうでしょうか?
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皆さんの要望に応じて、改善していくつもりです。例えば、もっと短くしてほしい、詳細な情報を知りたい、などなどぜひ教えてください。