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足の踏み場もない家を片付けているが、捨てる判断に自信がなくて片付けがなかなか進まない。どうやって、捨てる物を見極めればいいのか、という質問をいただきました。
この記事で回答します。
まずメールを紹介します。Mさんからです。
本当に捨てていいのかわからなくなる
件名:片付けでちゅうちょする時どうすればいいですか?
私は部屋を片付けたくて、カレンキングストンさん、やましたひでこさん、近藤 麻理恵さん、ゆるりまいさん、いろんな本やブログを読み、最近、筆子さんのブログにたどり着きました。
実は家が2軒あり、私物であふれかえっていた1軒は、壊さなければいけなくなり、捨てるものは捨て、悩んでる物は実家に持って来て、足の踏み場もないほどです。
私は躁うつ病を持っており、判断に自信がなく時間がかかります。
片づける時、本当にこれは捨てていいのかわからなくなる時があり、そのたびに保留にするので、なかなか片付けがはかどりません。
本当に捨てていいのか? という疑問がわいた時どう判断したらいいのでしょう? お答えいただければ幸いです。
例)疾病の記録、お薬手帳はできれば取っておいた方がよいと薬剤師に言われ捨てることができませんでした。
でも、自分にとっては見返すと辛い記憶であり、今後病院にかかっても、現在の症状からお薬を出されることとなり、必要ではない気もします。
でも専門家から言われると思考が止まってしまいます。
いらない物は極力捨てて身軽になることが、最終的には健康にもよいのではないかと思っています。
Mさん、メールありがとうございます。
家が2件あったんですね。そりゃあ、物もたまるでしょう。
私は、このブログや本には、基本的に「迷ったら捨てろ」と書いています。
「捨てちゃっていいのかな?」と思うのは、迷っている、ということですよね? そういう時は捨てればいいんじゃないでしょうか?
「どうしてもこれは必要!」と自信のあるものは、そもそも捨て候補にはなりませんから。
しかし、Mさんは、躁うつ病だから、きょうと明日とでは、考え方が変わるのかもしれません。その場合は、以下の方法を試してください。
1.病気が意思決定に与えている影響を自分なりに分析する
躁うつ病という病気が、自分の片付けにどんなふうに影響を与えているのか、ご自身で分析してください。
私は医者ではないし、Mさんのこともこのメールでしか知らないので、間違っているかもしれませんが、一般に極度の躁状態とうつ状態は、片付けに以下のように作用すると考えられます。
●躁状態
エネルギーが満ちあふれていて、消費に走りがち。不用品を大量に買い込む。
何でもできるような気になるが、いざ片付けをしようとすると、気が散ってなかなか集中できない。
●うつ状態
とことん気分が落ち込んで、何もやる気になれず、どんより疲れている。何も考えたくないし、物ごとを決めることもできない。
汚部屋の自分を責めている。
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こんなふうに、病気のせいで、自分の生活に起きているパターンを調べてください。
2.自分の調子に合わせて違う断捨離をする
1番で、病気の影響と自分の気持ちのパターンを調べたら、断捨離がはかどりやすいときに、片付けをするようにしてください。
躁状態のときはエネルギーに満ち満ちているので、片付けるならこの時でしょう。
かさばる大きな物、捨てるのがちょっとめんどくさい物、思い出の品など、捨てにくい物は、この時に捨てていきます。
そう状態のときは、うっかり買い物をしやすいので、買い物の予定は入れず、替わりに、片付けをがんばります。
うつのときは、無理に片付けなくてもいいでしょう。このときは、決断できないのですから、いくら考えても決められません。
日常出る生ゴミとか、明らかなゴミ、誰でも簡単に捨てられる物、迷いようがない物を捨てるぐらいにしておけばいいでしょう。
明らかなゴミとは?⇒こんな物は今すぐ断捨離できる~使える7つの捨て基準
躁うつ病は治療によって、自分の症状をコントロールし、ふつうに暮らすことが可能な病気だと言われています。
以前、やはり躁うつ病の方からメールをもらいましたが、「薬さえ飲んでいれば、大丈夫」とのことでした。
この方です⇒習い事をやめたいのに、やめられない。そんな時はこうする
Mさんも治療を受けているそうですから、そこまで大きな波はないかもしれません。しかし、自分の調子に合わせて、断捨離のアクションプランを変えることは、有効なことだと思います。
3.捨てる物、残す物を決めておく
捨てるときに、「これ捨てる、残す?」と決めるのではなく、先に捨てる物、残す物を決めておくといいと思います。
たとえば、こんな物は捨ててもいい物、つまりガラクタです。
●やたらと数が多すぎる物
●昔、便利に使っていたけど、いまは使っていない物
●しまい場所や置き場所のない物
部屋にあふれている物です。
●嫌いな物
●こわれている物
●もらったけど、全然使っていない贈り物
こちらのチェックシートも使ってみてください⇒捨てるものがわからない時に使ってほしい、物の価値を見極める10の質問リスト
こんな記事もあります⇒断捨離する物にやたらと迷う人向け、捨てる物チェックリスト。
次に取っておきたい物についても考えてみます。
たとえば
●いま現在、毎日使っている物
●捨てると、明日から生活にこまる物
●きょう、また、お金を出して買いたい物
●人生を豊かに彩ってくれる思い出の品(要厳選)
思い出の品があればあるほど、1つひとつの価値は低下します。思い出を体現するものではなく、ガラクタに近い物になってしまうのです。
そこで、1つか2つに厳選したほうがいいです。
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このように捨てる基準、残す基準を自分で決めておけば、迷いにくいと思います。
なお、どんなものもガラクタになります。
新品だろうが、きれいだろうが、買ったときの値段が高かろうが、関係ありません。今の自分の生活に役立っているか、という視点でガラクタを見極めてください。
お薬手帳の保管の問題ですが、私は使ったことがないため、よくわかりません。投薬の記録は、医師のカルテに書いてないんでしょうか? カルテに書いてあるなら、病院のデータベースの中にありますよね?
その情報が、今後必要になっても、すぐにアクセスできるなら、持っていなくてもいいのでは?
もしお薬手帳にしか書かれていない情報があり、今後必要になるなら、持っているべきでしょう。あるいは、今使っている手帳にその情報を自分で転記してはどうですか?
過去の薬や副作用の記録は、自分でデータベース化しておけば、古いものは捨てられます。何冊あるか知りませんが。
いずれにしろ、お薬手帳に関する決断はもっとあとでもいいと思います。お薬手帳で部屋がいっぱいになっているわけではないですよね?
汚部屋にしている元凶からタックルしたほうが早くきれいになります。こちらを参考にしてください⇒どこから断捨離したらいいの?こんな場所や物からやれば効果てきめん
4.自分で決めて自分で捨てていく
3番で、捨てる物・残す物のガイドラインを示しましたが、そのまま鵜呑みにするのではなく、自分で決めて、自分の責任で捨てて、その結果を自分で引き受ける、という行動を積み重ねてください。
主体性を持って行動にあたれば、迷いや後悔があったとしても、比較的早く、次の行動に移れます。
人は自分で道を切り開いていくことに喜びを感じます。何もかもお膳立てされていて、自分で選べないとストレスを感じてしまうのです。
汚部屋にいるということは、自分の自由になるはずの自室を自分でコントロールできていない、ということです。だから、1つずついらない物を捨てて、次第にきれいにしていけば、自信が回復するし、パワフルになっていきます。
もちろん、ストレスも軽減されるので、心身の健康にもよいです。
Mさんが、どういう方かわかりませんが、人の言うことより、自分の気持ちを優先して片付けにあたってください。
捨てる判断に迷う人むけの過去記事をいくつか紹介しておきます。
自分の判断を信用できないからうまく捨てることができない、そんな時の解決法
決断する力をアップする。自分で決められない理由とうまく決める方法(TED)
論理的かつ批判的に考える7つの方法。ロジカルシンキングはライフスキル。
不用品を捨てられない原因を探す5つのヒント。悩むのではなく、課題を解決する。
何かと迷ってしまうあなたに送る、断捨離中にいちいち迷わない3つの方法
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今回は、捨てていいのかわからなくなったときの考え方をいくつかお伝えしました。
私の体験では捨てて困るものってそんなにありません(現在毎日使っている物や、現金やパスポートなどの重要書類は別です)。たいていの物が補充や取り替え可能です。
目に見えないもののほうが、物理的な物より大事なことが多いのです。