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不用品を捨てているとき、「(誰も使ってないんだけど)これを捨てるのはもったいないな」と感じる物に出会うことがあります。
実は、こういう物こそ真っ先に捨てるべきであり、捨てないでいると、いつまでたっても部屋は片付きません。
どうしたら捨てられるようになるでしょうか?
「もったいない」。そこで、思考停止しなければいいのです。
「もったいない」で止まらない方法
一口に「もったいない」と言っても、その言葉の裏にはさまざまな感情や思考があります。
人間は、物を手放すのが嫌いなので、とりあえず、「捨てるのはもったいない」と自分を納得させ、捨てないでいるのです。
そこで、「もったいない」と言いながら、本当は自分はどんなふうに考えているのか、もう少し、自分の気持ちや考えを具体的に言語化します。
次に、その自分の意見に対して、自分で反証します(1人ディベート)。
そうすれば、もっと客観的に考えることができ、「もったいないとは思うけれど、やぱりこれは捨てたほうが、自分の暮らしの質はあがるね」と気づきます。
すると捨てられます。
以下に、人がもったいないというとき、考えていることを6つあげてみます。自分で反証するときの参考にしてください。
1.これに支払ったお金が惜しい
お金を払って買った物だから、ろくに使わないまま捨てるのは、支払ったお金がもったいない、という気持ちです。
これについては、何度も過去記事に書いていますが、「捨てずにいても、支払ったお金は1円たりとも戻ってこない」という事実を受け入れることで解決できます。
払ったお金は戻って来ない話:
高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
「値段が高かったから」といって捨てないとガラクタは増える一方~断捨離マインドを鍛える
高かった服を捨てるのはお金を捨てるような罪悪感があり、捨てられません。
お金の価値は絶対的なものではありません。時と場合により、ずいぶん変動しますから、昔、それに支払ったお金の金額にこだわるのは、あまり現実的ではありません。
それに、使っていない物を持ち続ければ持ち続けるほど、コストが発生します⇒もったいないから捨てない。この決断のせいであなたが失っているたくさんのもの。
時間がたてばたつほど、その物の価値は下がり(骨董品はべつですが)、処分する費用はあがります。
いま損切りしたほうが自分にとっても、物にとってもベストなのです。
2.いつか使うときが来るかもしれない
いまは使っていないけど、いつか、そのうち、使うときが来る。
こうした希望的観測があるときも、「捨てるのもったいないよ~。持っとけば? そのうち役にたつときがくるかもしれないし」という気持ちになります。
この場合の反証の仕方は2つあります。
1)いつか、って具体的にはいつですか?
片付け本には、「いつかの’いつ’は来ません」と書いてあります。
いつかの「いつ」は不特定の時を表す指示代名詞です。
特定できないということは、「いつでもない」または、「いつでもいい」ということです。
「いつでもない」は、英語で言えば、never (ネヴァー、決してない)です。つまり、「いつか使う」=「絶対使わない」ということなのです。
もし、不用品を捨てて、もっとシンプルに暮らしたいと思っているのなら、
「いつか使う」と思ったら、すぐに頭の中で、「絶対使わない」に置き換えてください。
絶対使わない物を家に置いておく余裕はありません。
2)なぜ今、使っていないの?
「いつか使う」の「いつ」が、もし「いつでもいい(anytime)」の「いつ」ならば、なぜ、今使っていないのか考えてください。
いつでも使えるのに、どうして自分は、これを、1ヶ月前も1週間前も、おとといも、きのうも、今日も使っていないのか?
使う必要がないからです。
ほかに、似たようなのがたくさんあるか、そもそもそれを使う必要性なんて、自分の生活のどこを探してもないかのどちらかでしょう。
今すぐ使えないならもう捨てます。
3.いつか使うときがきて、そのときこれがないとすごく困る
今は使っていないけど、いつかこれが必要なときが来て、そのとき、これがないと、私はすごく困ってしまう。
そんな状態になるのが、私はすごく恐ろしい。だから捨てない。こう考えて、「捨てるのはもったいない」と思う人もいるでしょう。
実際、以前、捨てた物を、あとで買い直すお金の心配をしている方から、相談メールをもらったことがあります⇒あとで必要になったときに買うお金がもったいなくて捨てられない、という質問の回答。
まず、「いつか使う」という可能性については、2番で説明した考え方をすれば、「そんなときは来ない」と納得できます。
「そのとき、これがないと困る」という恐怖については、取り越し苦労をしないことを選択することで、解決できます。
ポイントは、自分で選択する、というところです。
先のことは誰にもわからないし、未来のできごとを、自分でコントロールすることもできません。
コントロールできないことを、無理やりコントロールしようとするから(自分の思い通りにしようとするから)、不安や心配が生まれます。
毎日朝起きると、新しい1日が始まり、手つかずの時間が与えられます。
時間そのものは、何の色もついていない透明な時間ではないでしょうか?
与えられた時間を、楽しんだり、有意義に過ごしたりすることに使うほうを選ぶか、自分ではどうしようもできない先のことを心配して、透明な時間を濁った時間にしてしまうほうを選ぶか?
どちらがいいですか?
取り越し苦労をしない方法⇒取り越し苦労をやめる7つの方法。先のことを心配して物をためこむあなたへ。
現実問題として、今使っていない物が、数年後に突然必要になったとしても、なければないでなんとかなります。
買う、借りる、代用品を使う、なしですますと、4つも選択肢があります。
4.ないとさみしい
私の母は、食器棚がガラガラだとさみしいよ。少しは、C(弟の嫁)に残してやらんと、と言います(筆子的には、実家の食器棚はガラガラでもなんでもありませんし、Cさんは、そんな物、欲しくないと思います)。
このように、物がたくさんないと、さみしいから、その気持ちを、「捨てるなんてもったいないわ」という言葉で表す人がいます。
冷蔵庫やフリーザーに食品をびっしり詰め込んだり、常備品のストックをたんまり買い込んだりする人は、「ないとさみしい」と思う人ではないでしょうか?
本人は、「お買い得の時に買っておくほうが節約できるわ」「私はやりくり上手だから、まとめ買いするのよ」と言うかもしれません。
ですが、食品を買い込みすぎて腐らせたり、ストック品のスペースに家賃を払ったりするのは、冷静に考えるとむしろやりくり下手です。
まとめ買いが節約にならない4つの理由。むしろガラクタを増やす危険な買い方。
昔は、物も食べ物も少なく貴重だったので、納戸や押入れに、びっしり入っている物は、ダイレクトに安心をもたしていたと思います。
しかし、いまはそんな時代ではありません。
私たちの問題は、物が足りないことではなく、ありすぎることです。
物がないとさみしいと思う人は
1)時代錯誤な考え方をやめる
2)本当にさみしいなら、周囲の人との人間関係を見直し改善する
このどちらかをしてください。
5.自分の存在価値がなくなる
持っている物が自分のアイデンティティを表すことがあります。
流行の物やブランド物が好きな人は、そういう思いが強いかもしれません。
かつての栄光の品々(賞状、トロフィー、甲子園の砂など)を身の回りにおくことで、自分のすばらしさを感じられるという人もいるでしょう。
自分の血と汗の結晶を捨ててしまうと、自分がなくなってしまう、と恐れ、「もったいない」と言う人もいるかもしれません。
しかし、これも時代錯誤な考え方ではないでしょうか?
今は、昔のように、着ている物がダイレクトにその人の身分や階級を表していた時代とは違います。
皇族のように、高貴な身分の人はいますが、ふだんそういう人たちと付き合っているわけではありません。
今の時代、人の価値を表すのは身分や持っている物ではなく、その人の行動だと思います。
どんな階級に生まれるかが重要なのではなく、どんな生き方をするかが、重要なのです。
物で自分の価値を誇示しようとすると、見栄っ張りのワナにはまります⇒貯金できないのは見栄を張るから。よく見せようとすることの恐ろしさとは?
いらない物はどんどん捨てたほうが、より本当の自分らしく生きられます。
6.まだ心の準備ができていない
捨てたほうがいいのはわかっているし、そのうち捨てるつもりだけど、今はまだ心の準備ができていない。
こんな感情を、「もったいない」という言葉で表すこともあるでしょう。
心の準備ができていないだけなのに、「きょうは日が悪い」とか、「風水的にどうこう」とスピリチャルな理由を持ち出す人もいます。
この場合は、先延ばしをやめることで解決します。
先延ばしをやめるには?⇒片付けの先延ばし癖は今すぐ捨てる。
人間いつまでも生きられるわけでもないですし、たいていの人が毎日忙しいですから、チャンスがある時に、さっさと捨てたほうがいいのです。
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「もったいない」という言葉の裏にある考えを6つあげてみました。
ほかにもいろいろな思考があると思います。自分が何を考えているのか、その思考を掘り下げてください。
ようは、考え方を変えるということです。
考え方を変えることをおすすめすると、「できません!」「捨てられません!」とばしっと言い切るお便りをいただくことがあります。
このような人は、できないと思っているからできないのです。
確かに人間にはできることとできないことがあります。
人は空を飛ぶことはできないし、海中にいつまでも潜っていることもできません。
しかし、考え方を変えることはできるはずです。
できないと強く思い込むのは考え方のクセにすぎません。