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衝動的な買い物が多く、貯金ができない。何か気をつけることありますか?
この質問に回答します。
まずメールを紹介しますね。yorkieもこたんさんからです。
お金を使うことと、物が多いことが悩みです
件名:発達障害で衝動性があります。
3年くらい前からブログを時々読んでいました。
先日、筆子さんの新刊を本屋さんで偶然発見しました。
節約で悩んでいたので、即購入しブログを毎日見るようになりました。
私は40代の独身ですが、2年前に発達障害と診断されました。
生きづらい、仕事が長続きしないなどの理由で受診したことがきっかけです。
内服治療をしていますが、お金を使うことと、荷物が多いことが治りません。
それまで発達障害の衝動性から、欲しいものをたくさん買っていたり、忘れ物、紛失物のために、更に買い物をしたり、精神的にしんどいと、すぐに仕事を辞めていました。
そのため、貯金がなく出費ばかりでした。
筆子さんの新刊やブログを読んで、できることから始めています。
発達障害者は、ミニマリストになった方がいいとも聞きました。
部屋が散らからないようにするためだそうです。
仕事は医療の資格があるために、クローズで働いています。
今後も障害者手帳を取得する気持ちはないです。
もしよければ、発達障害者への節約や断捨離など、ご教示していただければと思います。
私は、不注意があり衝動性が強いです。
そしてストレスを溜めやすいです。
筆子さんのブログを読めばいいのでしょうが、発達障害者が特に気をつけることがないかと思い、メッセージを送らせて頂きました。
お忙しいかと思いますので、お手隙の際で構いません。
長くなりすみません。よろしくお願いいたします。
もこたんさん、はじめまして。お便りありがとうございます。
新刊、買ってくれたのですね。うれしいです。
筆子の新刊『買わない暮らし。』(6月16日発売)著者による内容紹介。現在予約受付中です。
また感想を聞かせてください。
さて、発達障害者むけの節約や断捨離の方法を教えてほしいそうですが、私は、その病気になったことがないし、身近にそういう人もいないので、正直、発達障害がどういうものなのか、よくわかりません。
一口に発達障害と言っても、いろいろな症状がありますよね?
そもそも、発達障害だから衝動買いが多いのか、衝動買いが多いから発達障害という診断がついたのかと考えてみると、衝動的な行動が多いから、そういう診断がついたと思います。
だから、「発達障害者向けの対策」とくくらずに、衝動的な行動を減らすことををめざしたほうがいいんじゃないでしょうか?
それと、病気のことは、主治医に相談するのがベストです。
実は、読者の方から「私は発達障害です」といったメールは、わりといただいています。たいてい引用不可なので、ブログでは紹介していませんが。
さらに「これは、きわめて衝動的に書かれたメールに違いない」とか、「ものすごく不安定な精神状態のもとで書かれたメールであろう」と感じるメールもたまにもらいます。
そのような人たちが、「ブログを読んで、こういうことをしてみたら、衝動買いが減った、気分が楽になった」と言っていることをいくつか紹介します。
1.とにかく書き出す
私がもっともおすすめしたいのは、頭の中にあることを書き出すことです。
書き出して頭の中をスッキリさせる習慣をつければ、もっと自分の行動をコントロールできます。
おすすめはブレインダンプとモーニングページ。
どちらでもいいので、一度、真剣にやってみてください。
ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
それから、「日々のスケジュールやタスクを書き出したら、楽になった」という声をいただいています。
その日、何をやるか、朝すべて書き出しておくと、あとは、そのスケジュールにそって行動するだけなので、余計なことを考えなくてすむから、頭が疲れないし、やりたいと思っていたことにさっと取り組めます。
これは、私自身もやっていることです(付せんと厚紙を利用)。詳しくはこちらをお読みください⇒あれこれ迷う時間を減らして、シンプルライフをめざすススメ。
衝動買いも、書くことによってかなり防止できますよ。
新刊にも書いていますが、
30日間待つノート(「欲しい!」と思ったときに、とりあえず書いて、冷却期間をもうけるためのノート)を作ったり、
買い物リストを作ったり⇒今日からやってみたい、人生をシンプルにする10の方法(その1)。
手持ちのものをリストアップしたり(たとえば洋服ノート⇒服の買い過ぎ防止に効果がある「洋服ノート」の作り方。)
買ったものを書き出したり、収入と支出を記録したり。
書くことで、気持ちを整理し、行動を振り返ることができるから、少し考えてからする行動が増えるはずです。
書くことについては、2冊めの本に詳しく書いているので、よかったら読んでください⇒筆子の新刊『書いて、捨てる! 』3月11日発売。著者による内容紹介。
2.マインドフルになる日課を作る
衝動で突っ走ることを減らすために、1日に1度はマインドフル(意識的)になる時間を作ってください。
衝動的な行動が多い人は、衝動的に行動をする神経回路が強化されているので、衝動的に動かない時間を作るといいでしょう。
1番で紹介した、ブレインダンプやモーニングページ、または日記などを書くときは、マインドフルになれます。
日記を書くことは心の断捨離に効果的。10年日記を使っています
ほかにも
瞑想
『必要なのは10分間の瞑想だけ』~物より心が大切です(TED)
深呼吸
物を買いそうになったら、こちらで紹介されているタクティカルブレスをやってみてください⇒正しい呼吸の仕方~多くの人が間違った呼吸法をしています(TED)
散歩(周囲にあるものをよく見ながらする)などいろいろあります。
3.立ち止まって自問する
何かを衝動的にしそうになったら、いったん止まって、自分に問いかけてください。
・この行動をしたら、それはどこにどんな影響を与えるだろうか?
・これは、自分のためになることかな?
・なぜ、今、私は、こんなことをしようと思っているんだろう?
・今買わないとだめな物なの?
・これって、ニーズ、それともウォンツ?⇒ミニマリスト的節約術の極意は、「必要なもの」と「欲しいもの」をしっかり分けること
もこたんさんが、今後特に気をつけたいことは、買い物だと思いますので、何かを買う前に、自問する質問リストを作っておくといいかもしれません。
こちらの記事に、買う前にするべき質問を7つ書いているので、参考にしてください⇒買いたい衝動に対処するには?(買わない挑戦8月の振り返り)。
4.予算を立てる
お金の流れ(収入と支出)を把握し、予算を立てて買い物をします。
予算を立ててする買い物は、計画的にする買い物なので、衝動買いとは真逆の行為です。
ほぼ予算どおりに買い物できるようになれば、自然に衝動買いも減っているでしょう。
まあ、なかなか予算どおりには行きませんが、「予算を立てて、買い物して、調整する」という行動そのものが、計画的な買い物になりますから、もし、まだそういう買い方をしていないなら、さっそく今日からやってください。
ところで、もこたんさんは、障害者手帳を取得していないそうですが、どうしてですか?
障害者手帳があれば、税金の優遇があるし、各種公共サービスも割引で利用できます。
本当に節約したいのなら、取得するべきではないでしょうか。
病気が治って不用になったら、返納すればいいし。
「よけいなお金があると、また買い物してしまうから」、という心配があるなら、余分なお金は、入ってきたそのときに、全部、すぐにおろせない口座や、ローリスク・ローリターンの投資の口座に入れてしまえばいいのです。
私も、半年分の生活費(緊急事態用のお金)より余分にあるお金は、全部、すぐにおろせない口座に入れてしまいます。
たとえそれが、3ヶ月や半年の定期であっても、すぐにおろせないお金なのだから、消費するまでに待ち時間が生じます。
「待つ」という行為は、「衝動的に何かをする」ことと反対の行動だから、待つ習慣をつけるのも、計画的な買い物をする神経回路の強化につながります。
5.自分をまるごと受け入れる
衝動的な自分や発達障害という病気になった自分を丸ごと受け入れてください。
以前、やはり発達障害の方からメールをいただいたことがあります。
この方は、自分は悪い意味で人と違うから、「ふつうの人」になるために、服やバッグ、その他たくさんの物を買って、自分が思う「ふつうの人」の見かけや生活を構築しようとしていました。
その結果、物が増えすぎて汚部屋になり、貯金もできなかったのです。
「人1人暮らすにはそんなにお金はかからない。だけど、他人に見せつける暮らしはお金がかかる」という言葉があいます。
私たちが何かを買う時、もちろん自分が欲しいと思っているわけですが、他人に影響を受けてする買い物もたくさんあります。
こんな人だと皆に思ってほしい、とか、仲間だと思ってもらいたい、とか。
自分が自分を受け入れていたら、「ほかの人に何かを証明するための買い物」をしなくてすむので、余計な物をたくさん持たなくてすみますよ。
心の病気や障害は、たとえば、子宮に筋腫ができるような病気に比べてわかりにくいです。
病気じゃなくて、ただ、なまけているだけのような気もするし、単なる性格のような気もします。
治ったのか、治っっていないのかもよくわからないでしょう。
周囲の人の偏見もあるかもしれません。
ですが、心の病気は、脳の機能障害だから、臓器の病気ですよね。
現在、メンタルを患っている患者の脳のレントゲンを取ることは多くないと思いますし、外科的手術もしないでしょうが、今後、脳の研究や技術が進んだら、そういう治療法も出てくるかもしれません。
生きているから病気になるのであって、発達障害という診断がついたからといって、悲観せず、「病気になったから、治療して治せばいいんだ」ぐらいの気持ちでいたほうが、ストレスがたまりませんよ。
無駄にセルフイメージを下げないために、自分で認知療法をするのもおすすめです⇒認知行動療法(CBT)を使って片付けられない思考を手放す方法。
今回、断捨離のことは書きませんでしたが、過去記事にたくさん書いているし、これからも書きます。
最後に、衝動買いをやめたい人用の記事をまとめたもの3本にリンクしておきます。
買わない生活入門。買い物のし過ぎ症候群から抜け出す方法のまとめ#2
買い物脳に振り回される生活から抜け出すために。買わない人になる記事のまとめ3。
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読者の質問にお答えしました。
それでは、あなたも感想や質問、言いたいことなどありましたら、お気軽にメールください。
お待ちしています。